伊沢 歓喜の“V字復活” ケガ乗り越え難コース攻略

[ 2017年3月6日 05:30 ]

第35回三浦国際市民マラソン女子ハーフ ( 2017年3月5日    神奈川・三浦海岸発着 )

<第35回2017三浦国際市民マラソン>ハーフマラソン女子の部を制した伊沢菜々花
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 初出場の伊沢が“完全復活”を遂げた。「最後まで全力で走れてよかった」。長年ケガに苦しんだ25歳は、優勝と完走の喜びをかみしめた。

 社会人生活は故障との闘いだった。「ずっとケガばっかり。だから社会人での記録はないんです」。高校、大学で数々の駅伝区間賞を獲得。輝かしい記録とともに2013年、ユニバーサルエンターテインメント入りした。しかし、直後の4月に右恥骨の疲労骨折が発症。「痛くても練習を続けていたけど、やっぱりどうしても痛くて」。できる範囲の練習を続けたが、9月には同じ箇所の疲労骨折を再発。さらに翌年、右アキレス腱付着部の腱しょう炎など、度重なるケガに泣いて、公式レースにはほとんど出場がかなわなかった。

 満足に練習をこなせるようになったのは昨年7月。社会人3年目の夏を迎えていた。3カ月後の10月、千葉県でのハーフマラソン大会では今までの鬱憤(うっぷん)を晴らすように自己ベストとなる1時間16分19秒を記録。復活優勝を飾った。

 三浦海岸から市内を駆け抜けるコースは、その高低差最大70メートルが名物。しかし、もう一つの名物・三浦市民の大声援が伊沢の背中を押した。「5キロすぎからの下り道が結構きつくて。足が止まりそうになりました。でもゼッケンに書かれた私の名前を、沿道のみんなが呼んでくれるんです。凄くうれしかった」。

 高低差が和らぐ後半に勝負を仕掛けた。「アップダウンのある前半は無理をせず、後半頑張ろうと準備していました。沿道から“女子の1位だよ”とたくさん声を掛けてもらって“ありがとう”と思いながら走っていました」。羽ばたくように大きく両手を広げてゴール。喜びを爆発させた。

 4月には公式レースへの本格復帰を予定している。「今年は結果を残していきたい」。走る喜びを知る25歳の飛躍のシーズンが始まった。

 ◆伊沢 菜々花(いざわ・ななか)1991年(平3)4月13日、愛知県豊橋市出身の25歳。豊川高、順大を経てユニバーサルエンターテインメントに所属。全国高校駅伝では3区、2区、1区で3年連続区間賞に輝き、2008、09年のチーム連覇に貢献した。大学4年の全日本大学女子駅伝では最長9.2キロで区間賞を獲得した。1メートル65、50キロ。

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