小笠原&阿部組が世界切符!結成10日で混合ダブルス日本一

[ 2017年3月6日 05:30 ]

カーリング全農日本混合ダブルス選手権最終日 ( 2017年3月5日    北海道北見市・アドヴィックス常呂カーリングホール )

初優勝し、喜ぶチーム阿部の小笠原(左)と阿部
Photo By 共同

 女子日本代表で五輪3大会に出場した小笠原歩(38)と元女子代表監督の阿部晋也(37)が組むチーム阿部が初優勝し、来年の平昌(ピョンチャン)五輪の出場権を争う4月の世界選手権(カナダ)代表に決まった。準決勝でチーム松村を6―2で下し勝ち上がると決勝では1次リーグで敗れたチーム青木に6―3でリベンジに成功。これまで4人制で日本女子をけん引してきた“カーママ”のペアが新種目となる混合ダブルスで五輪切符を狙う。

 2点リードで迎えた最終第8エンド、ハウス(円)内に相手ストーンは2つ。小笠原は中央に最も近いストーンを目掛け最後の一投を投じた。大きく外せば同点に追い付かれる重圧のかかる場面だったが、世界を肌で知る百戦錬磨の38歳は冷静沈着。狙い通りのラインを描くとストーンをはじく1メートル手前で勝利を確信し、思わず右手でガッツポーズをつくった。

 前日の1次リーグでは5―12で完敗した相手に6―3で貫禄勝ち。即席ペアで日本一に輝いて再び平昌への道を切り開き「驚いてます。まだ信じられない」と照れた一方で「重圧のかかる舞台の経験は私たちの方がある」と長らく日本をけん引したプライドものぞかせた。

 北海道銀行として日本選手権で優勝できず、平昌五輪出場を逃してから1カ月。協会から推薦を受け、06年トリノ、10年バンクーバー五輪日本代表女子監督で旧知の仲である阿部とペアを結成したのは10日前だ。大会1週間前の強化合宿で初めて2人で氷に乗ったが、当初は慣れない種目に対応できなかった。準決勝で破ったチーム松村との初の練習試合で完敗。阿部は「ぼろくそに負けた。6エンドで1対8ぐらい」と振り返った一方で「その試合から混合の戦い方を学んだ」とも言った。4人制ではともに指示を出すスキップで氷を掃く機会は少ないが、小笠原が「日々スイーピング技術が高まっていると言われるのがうれしい」と話したように、新たな挑戦を楽しんでいる。

 五輪出場権を得るためには来月の世界選手権で最低でも表彰台が求められる。小笠原が「この年齢になって夢を追えるチャンスがあるのは幸せなこと」と言えば、阿部は「出場権を獲りたい」と断言。ともに小学1年の子を持つカーママとカーパパが世界の舞台でさらなる新境地を開拓する。

 ▽カーリング混合ダブルス平昌五輪までの道のり 

 昨年と今年の世界選手権(4月22〜29日、カナダ)のポイント合計で開催国の韓国を除く出場7カ国が決まる。日本は昨年、北海道大(蒔苗・荒木ペア=現チーム札幌)が予選敗退したため、現在のポイントは0となっている。日本カーリング協会の柳強化委員長は「3位に入ったら、ぎりぎりボーダーラインに乗るだろう」と説明した。チーム阿部が出場枠を得た場合、昨年と今年の日本選手権優勝ペアと準優勝ペアによる日本代表決定戦を今秋に開催。出場枠獲得に貢献したチーム阿部にアドバンテージが与えられる可能性もあるが、試合方式などは、まだ正式決定していない。

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2017年3月6日のニュース