サオリン 両足つりベンチで終戦も…「最後という実感なく」笑顔

[ 2017年3月6日 05:30 ]

プレミアリーグ・プレーオフ2次リーグ ( 横浜文化体育館ほか )

<東レ・NEC>第1セット、ポイントを奪い笑顔を見せる東レ・木村沙織
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 女子レギュラーシーズン6位の東レは同1位のNECに1―3で敗れ、2勝3敗の6位で敗退が決まった。今季限りで引退する東レの木村沙織(30)は有終の美を飾ることはできなかった。女子は1位のNECが決勝(17、18日)、2位の久光製薬と3位の日立が準決勝(11、12日)へそれぞれ進出する。男子は1位東レ、2位豊田合成、3位ジェイテクトとなった。

 敗戦の瞬間はコートサイドで迎えた。勝ち点3(3―0か3―1での勝利)を取らなければ敗退が決まる背水の一戦。東レは第1セットを奪ったが、続けて2セットを失い、第3セットを終えた時点で準決勝進出の望みを断たれた。それでも木村は「勝って終わろう」と気持ちを切らさず攻守に動き回った。だが、第4セット7―13の時点で両足がつるアクシデントのためベンチへ。「(観客席から)いつも以上の大きな声が聞こえて感動しました。最後という実感が正直なくて涙は出てきませんでした」。最後は笑顔でスタンドに向けて手を振った。

 日本代表の主将として挑んだ昨夏のリオ五輪はベスト8でメダルを逃した。引き際を迷いながらも「ここを自分のバレーボール人生最後の場所にしたい」と今季までプレーすることを決意。目指した5季ぶりの優勝には届かず「ファイナル3(準決勝)に行けなかったのは凄く残念でした」と悔しがった。

 木村は試合後の会見では気持ちの整理がつかないことを理由に、引退に関する発言を控えた。後日改めて引退会見を開く予定だ。東レの菅野監督はこの日もチーム最多18得点を挙げた木村について「あと5年はできる。まだまだトップで日本を引っ張っていける選手」と言った。五輪に4度出場した天才アタッカーは惜しまれながら静かにコートを去った。

 ◆木村 沙織(きむら・さおり)1986年(昭61)8月19日生まれの30歳。東京都あきる野市出身。下北沢成徳高卒。小2でバレーボールを始める。昨年末にインドアとビーチの元選手の日高裕次郎さん(30)との結婚を公表。妹・美里(25)も東レの選手。1メートル85、65キロ。

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