川岸史果奪首 父・良兼譲りの爆発力 自己ベストタイ65

[ 2017年3月4日 05:30 ]

女子ゴルフツアーダイキン・オーキッド・レディース第2日 ( 2017年3月3日    沖縄県南城市 琉球ゴルフ倶楽部=6617ヤード、パー72 )

<ダイキンオーキッド 第1日>5アンダートップタイでホールアウトした川岸史果(左)とキャディーを務めた母の麻子さん
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 男子ツアー6勝の川岸良兼(50=フリー)の次女・史果(22=加賀電子)が8バーディー、1ボギーの65をマークして通算5アンダーに伸ばし、70で回った大城さつき(27=フリー)とともに首位に並んだ。65はこの日のベストスコア。初めて首位に立った川岸が決勝ラウンドでツアー初優勝に挑む。

 最終18番、1メートルのパーパットを沈めた川岸は頬を緩めた。「バーディーを取れば(単独)トップになると思っていたので18番だけは緊張した」。2番で1・5メートル、4番で2メートル、7番で1・5メートルにぴたり。ショットでチャンスをつくりバーディーを量産。8番で9メートルをねじ込むなどパットも良かった。自己ベストに並ぶ65で終え、初めて首位に立った22歳は「狙える位置なので優勝を目指して頑張る」と力を込めた。

 体調は万全にはほど遠かった。4度目の挑戦で合格した昨年7月のプロテスト第1日に右足首に激痛が走った。日大高2年時の修学旅行でオーストラリア滞在中に、転んで骨折した箇所の骨が欠けて遊離軟骨となったためだった。

 昨年12月、遊離軟骨を除去する内視鏡手術を受けた。1週間の入院、リハビリを経て練習再開は1月下旬。ラウンドは2月中旬から。筋力は戻りきらず患部は時折痛みが出る。この日も終盤は痛みで踏ん張れなくなったが、スコアは崩さなかった。

 父・良兼はツアー6勝で「怪物」と呼ばれ、今季からシニアツアーに出場する。この日キャディーを務めた母・麻子(50=登録名は喜多麻子)もプロゴルファー。川岸は「父から飛距離と胃袋(大食い)を受け継いだ」と冗談めかす。2日間の平均飛距離は238・75ヤードで7位とツアー上位。強力な武器だが、15年夏、3度目のプロテストに落選した後、ドライバーイップスになった。

 オーバースイング気味だったトップをコンパクトに修正して克服。ティーショットの安定感が増して昨季終盤は伊藤園レディース16位、大王製紙エリエール・レディース26位と好成績を残した。

 ゴルフを始めた時、父に「川岸良兼の娘と言われる。それが嫌ならやめろ」とくぎを刺されたが、娘は百も承知。「よく川岸良兼の娘と言われるけど(父が)川岸史果のお父さんと言われるようにしたい」と頼もしい。

 ◆川岸 史果(かわぎし・ふみか)1994年(平6)10月13日、神奈川県横浜市生まれの22歳。10歳の時にゴルフを始める。横浜英和中3年で09年全国中学校選手権優勝。日大高2年で11年全国高校選手権優勝。15年プロ転向。16年プロテスト合格。1Wの平均飛距離は260〜270ヤード。昨季は賞金ランキング114位、最終予選会26位。1メートル66、75キロ。

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