つけ麺1キロペロリ“大食い女子”山田沙羅 空手界の超人目指して

[ 2017年2月28日 09:10 ]

逆突きを繰り出す山田沙羅(左)と加藤綾子
Photo By スポニチ

 カトパンことフリーアナウンサーの加藤綾子(31)が2020年東京五輪で活躍が期待されるアスリートに迫る「東京五輪 伝説の胎動」。第5回は小中高から大学まで各世代で日本一に輝いた空手女子組手のホープ、山田沙羅(22=大正大4年)。休日も遊びに行かず「試合の動画ばかり見てる」というほど頭の中は空手一色。「つけ麺1キロ」ペロリの大食いパワーで、地元・東京での大舞台を制する。

 ――空手というと荒々しいイメージがありましたが、山田選手は表情も話し方もとても穏やかですね。

 「監督には引っ込み思案と言われます。空手になると熱くなるんですけど(笑い)」

 ――凄く食べると聞いたんですけど、体格はスリムですね。

 「食べるのは大好きで、つけ麺だと900グラム食べたりします」

 ――約1キロ!?それってどういうこと?

 「特盛りを頼んで、食べきれなかった人たちの分を全部(笑い)」

 ――同期の男子と比べても食べる方?

 「もう、おなかいっぱいって、男子の分が回ってきたりします」

 ――男子に頼りにされるほどの大食いって凄いですね。家でも?

 「コロッケなら10個以上は食べます」

 ――それも凄い。

 「お母さんが晩ご飯に20個ぐらい作るんです。そのうち半分以上は自分が。残りをお父さんとお母さんと弟の3人で食べます」

 ――分け方がおかしい(笑い)。

 「本当はもっと食べられるんですけど、体重が増えると空手にも影響するので。食べた分は動いて消費してます」

 ――空手はいつから始めたんですか。

 「7歳から。家が東京武道館(東京都足立区)の近くだったので、両親が武道をやらせたいと思ったようで。それで、なぜか自分で空手を選びました(笑い)」

 ――小中高と日本一。でも大学では4年生までなかなか勝てなかった。つらい時にやめたいと思ったことは?

 「一度もないです。空手が凄い好きで。空手のことを考えてない時の方が少ないぐらい」

 ――えっ、ずっと考えてるんですか。

 「休みの時も空手の動画ばかり見てます。見だすと止まらなくて」

 ――止まらない!?

 「YouTube見てると、それに関連した動画が出てくるので。“あなたへのおすすめ”も、空手の動画ばかりです(笑い)」

 ――空手の魅力は?

 「駆け引きですね。相手が何をしてくるか探りながら、自分が出す技を決めなきゃいけない。難しいですが、うまくいったときは気持ちいいし、楽しいです」

 ――実は心理戦、頭脳戦なんですね。

 「相手の技をさばいてから攻撃するパターンもありますが、自分は相手が出てくる瞬間、相手が技を出したいって思っている時に、先に出せるようにしています」

 ――ルールは寸止めですよね。難しくないんですか。

 「コントロールされている突きだったら、当たってしまってもポイントになることが多いです」

 ――実際に当てられることもあるんですね。ケガはしない?

 「顔に当てられて打撲したりとか」

 ――大きいケガもあったんですか。

 「はい、高校1年の時に、眼底骨折を」

 ――エーッ!痛そう…試合で?

 「いえ、姉弟げんかで(笑い)」

 ――空手じゃないじゃないですか(笑い)。

 「いえ、弟も空手をやっていて。最初は口げんかでしたが、手が出たんだと」

 ――弟さん、相当叱られたでしょうね。

 「そうですね。でも、今は仲良しです(笑い)」

 ――空手の練習はハードだと思いますが、リフレッシュは?

 「岩盤浴はけっこう行きます。あと、お菓子を作ったり」

 ――かわいい!

 「自分で食べるんですけど(笑い)」

 ――自分で!?誰かに持って行くのかと。

 「道場にも持って行きます。シュークリームとかクッキー、同期にはチーズケーキやガトーショコラだったり」

 ――凄い。ほかにはありますか。

 「本も好きです。湊かなえさん、東野圭吾さんの作品をよく読みます」

 ――どんな時に読むんですか。

 「毎日、半身浴をしているので、そのお供に読んだりしています」

 ――テレビは見ますか。好きなタレントさんは?

 「俳優の窪田正孝さん。湊かなえさん原作の“Nのために”というドラマで好きになりました」

 ――意外と細めの人がタイプ?

 「細い人が好きなんだねって、よく言われます。練習で疲れているので癒やし系がいい(笑い)」

 ――恋人はインドア派、アウトドア派ならどっちがいいですか?

 「自分がインドア派なので、そっちの方が」

 ――それも意外。あまり外出しないんですか。

 「食べに行ったりする以外は家で。休日も空手のために体を休めることを優先的に考えちゃう。遊びに行ったり、お酒を飲んだりもしないので」

 ――遊ばない?お酒も飲まない?

 「練習に支障が出たら嫌だなと思って」

 ――東京五輪まで3年ですね。

 「昨年の世界大会では3位だったので、リベンジしたい。自分が国際大会でも勝てることを証明してから、選考会などに出たいです」

 ――東京は地元ですもんね。

 「出場できたらたくさんの人が応援に来てくれると思う。金メダルを獲って恩返しがしたい」

 ――頼もしい!ちなみに、山田選手って怖いものはあるんですか。

 「ムシ」

 ――2文字でズバリ(笑い)。どんな虫?

 「全般的にダメなんですけど、一番嫌いなのはセミ」

 ――セミですか!?

 「急に飛んできたり、死んでいると思ったら、いきなり動いたり。夏合宿で山の方に行くと逃げ回ってます」

 ――最強の敵?

 「虫とは戦えないです(笑い)」

 ◇空手 20年東京五輪の追加種目。男女各3階級の組手と男女個人形の計8種目で実施見込みで、会場は日本武道館。組手(寸止め)はポイント制で、先に技を入れると得点になる。攻撃部位は上段(頭部・顔面・頸部=けいぶ)と、中段(腹部・胸部・背部・脇腹)で上段蹴りは3ポイント、上段、中段への突きは1ポイントなど。8ポイント差、または試合終了時にポイントの多い方が勝利。同点の場合は判定。試合時間は男子3分、女子2分。

 ◆山田 沙羅(やまだ・さら)1994年(平6)5月2日、東京都足立区生まれの22歳。小学1年から空手を始め、6年時に全日本少年少女空手道選手権V。中学、高校でも全国大会優勝、大学では16年の全日本学生選手権を制した。昨年10月の世界選手権では女子組手55キロ級で銅メダル。身長1メートル67、55キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2017年2月28日のニュース