大西将太郎氏 評論家デビュー!完敗サンウルブズ「チームになりきれてない」

[ 2017年2月26日 13:50 ]

スーパーラグビー第1節   サンウルブズ17―83ハリケーンズ ( 2017年2月25日    秩父宮 )

<サンウルブズ・ハリケーン>前半32分、福岡がゴールライン直前までボールを持ち込み、つかまるが必死のパス
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 サンウルブズが嵐の船出だ。昨季王者のハリケーンズ(ニュージーランド)に17―83で完敗。参入2年目の開幕初戦を落とした。3トライを奪ったとはいえ、スコアが開いてから。1万7553人の観衆の前で、厳しい現実を突きつけられた。元日本代表の司令塔・大西将太郎氏(38)がスポニチ本紙評論家デビュー。「チームになりきれてない。成長のスピードを上げないとファンは待ってくれない」と危機感を募らせた。

 チームになりきれていない印象を受けました。故障者の多さ、準備期間の短さを差し引いても…。守りは個人でも組織でも課題が多く、大量失点。攻撃では、守りの裏を狙ったゴロのキックを前半から多用したことに、疑問を感じました。面白い戦術ですが、序盤から蹴りすぎたと思います。

 ニュージーランド(NZ)代表29キャップのSHペレナラは、「ボールを動かしてくることを警戒した」と語りました。速い球出しからの展開こそ日本の持ち味。事実、後半37分はボールを動かした速い攻撃でNo.8ブリッツのトライが生まれています。昨季王者が相手でも、テンポを上げればラック周辺の守りを混乱させられるだけに、もっとチャレンジしても良かったのではと思います。

 スクラムは、さすがです。フッカー日野はベンチ待機中から「押せる」と自信を持っていました。その通りに組み、相手ロックがシンビン中の後半30分すぎは、敵陣深くで反則を誘い、再び選択しました。手応えとともに「2回目はコールズ(NZ代表49キャップのフッカー)が対応してきた」と、世界レベルを体感できたのはプラスです。

 面白いようにつながった相手を見ると、北半球の気候がプラスに働いたようです。季節が逆の南半球だと、湿気などでもっとミスが出たかもしれません。ボイド・ヘッドコーチの「チームの強みは中心選手が人間的にも優れていること」という言葉も印象に残りました。

 苦しい形で2年目が始まりました。我々もファンも厳しい目で見ないといけません。大敗ばかりでもう見たくないと思われないよう、チームは成長速度を上げる必要があります。(元日本代表)

 ◆大西 将太郎(おおにし・しょうたろう)1978年(昭53)11月18日、大阪府出身。SO、CTB。小学3年から布施ラグビースクールで競技を始め、啓光学園(現・常翔啓光学園)から同大へ。ワールド、ヤマハ発動機、近鉄、豊田自動織機でプレーした。日本代表33キャップ。07年ワールドカップ1次リーグ・カナダ戦で試合終了間際に劇的な同点ゴールを決めた。16年に引退し、母校・同大のバックスコーチに就任。11年ぶりの全国大学選手権4強に貢献した。

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2017年2月26日のニュース