スマイル 日本勢平昌五輪一番乗り!ドイツ撃破で2大会連続

[ 2017年2月13日 05:30 ]

アイスホッケー平昌五輪女子最終予選最終日   日本3―1ドイツ ( 2017年2月12日    北海道・白鳥王子アイスアリーナ )

平昌五輪出場が決まり、歓喜のスマイルジャパン
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 スマイルジャパンが夢切符1号を決めた。世界ランク7位の日本は、同8位のドイツに3―1で勝利。勝ち点9で1位となり、全競技を通じて日本勢で最初に平昌五輪の出場権を獲得した。第2ピリオド(P)にFW藤本もえこ(24=トヨタシグナス)のゴールで先制すると、FW小野粧子(35=御影グレッズ)、久保英恵(34=西武)が追加点を挙げた。過去2度の五輪では日本は計10戦全敗。平昌では悲願の1勝だけでなく、表彰台へ突き進む。

 夢切符が決まる試合終了のブザーが迫る。残り10秒から、会場を埋めた3111人の観衆がカウントダウンだ。最大のライバル・ドイツを3―1で粉砕。ソチ五輪出場権1号だった4年前に続き平昌でも最初に五輪出場を決めた。「うれしいのひと言。みんなで勝ち取った。みんなでこのために頑張ってきた」。大沢主将を中心に、歓喜と涙のスマイルがはじけた。

 負ければ五輪への道が絶たれる大一番。平均身長で7センチ以上も高いドイツの強烈なシュートをGKやDFだけでなくFWも体を投げだし阻んだ。第2Pに藤本もが先制、小野が追加点を挙げる理想的な展開も終盤に1点を返され最終第3Pへ。久保のゴールで突き放したが、残り2分からドイツはGKを外して6人全員でアタック。ピンチを招きながら猛攻をしのいだ。山中監督は「最後の最後にベストゲームをしてくれた。選手を褒めてあげたい」と称えた。

 4大会ぶりに五輪に出場した14年ソチは5戦全敗。世界との差を埋めるため、肉体改造に着手した。10年バンクーバーで銀メダルの米国代表の数値を目標に、ベンチプレスや垂直跳びなど5種目の筋力を毎月測定。34歳にして毎月自己ベストを更新する久保は、「米国の数値を比較しても、みんなほぼ100%。あとは氷上のテクニックだけ」と成果を口にする。当初はチームの懸垂の平均回数が1回に満たなかったという。久保も1、2回しかできなかったが、今では14回になった。

 昨年7月に山中監督が就任。98年長野五輪に出場した実績を持つ指揮官は初めての女子チームの指導でも攻めた。合宿では3部、4部練習を敢行。最終予選までの国際公式戦は9戦全勝で「他のチームに走り負けない」と選手は口をそろえる。

 日本の武器として、大沢主将はフィジカルとともに「チームワーク」を挙げる。ソチ五輪最終予選前はプレーで優れているところなどを互いに言い合う「称賛のシャワー」を行った。今予選に向けては一人一人が自分以外の選手の「尊敬しているところ」、「感謝しているところ」、「期待しているところ」を書き、それぞれがファイルを受け取って出陣準備は完了。チームメートを信じ、パックを追った。

 今予選21人のうちソチ五輪メンバーは14人。4年前から心身のたくましさは増した。スマイルジャパンが平昌で狙うのは五輪初勝利だけではない。「今の私たちは五輪でも勝っていける力があるし、メダルを狙える。もっともっと全員で頑張っていきたい」と大沢主将。1年後、夢舞台で見せよう、最高のプレーと最高のスマイルを。

 ▽平昌五輪のアイスホッケー女子 8カ国が出場。世界ランク1〜4位の米国、カナダ、フィンランド、ロシアが上位リーグ(A組)に入る。日本、開催国の韓国を含めた4カ国が下位リーグ(B組)。1回戦総当たりのリーグ戦を行い、A組の1、2位は準決勝から登場。準々決勝はA組3位―B組2位、A組4位―B組1位が対戦する。リーグ戦は18年2月10日に始まり、決勝は同22日。

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