【黒岩敏幸の目】後半戦もスタミナ落ちなくなった

[ 2017年2月11日 08:30 ]

スピードスケート世界距離別選手権第2日 ( 2017年2月10日    韓国・江陵オーバル )

女子500メートルで優勝した小平奈緒(中央)。左は2位の神谷衣理那、右は3位の辻麻希
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 よく滑る氷とは聞いていたが、高地の高速リンクではなく、低地のリンクで日本記録更新は素晴らしい。今季の小平の好調の要因は肉体改造の成功だろう。昨季と比べて体が絞れており、動きに切れがあって、スタミナもある。

 元々1500メートルまで滑れる力がある後半型だが、体の反応が良く、100メートルの通過タイムが速い。この日は10秒31で、前半型の世界記録保持者、李相花よりも100分の1秒速かった。多くの日本選手は第2カーブ(300メートル)以降で失速してしまうが、小平はここから伸びる滑りができるのが強み。その強みも存分に発揮できている。

 これまでシーズン前半の成績はいいが、後半で下降するのが課題だった。今季は12月のW杯をスキップし、その期間を後半戦に向けた体づくりに充てた。経験を重ねて、ピークのつくり方もうまくいっている。後半戦に弱いジンクスを打ち破り、来季に向けて大きな収穫になったと思う。 (92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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2017年2月11日のニュース