松山連覇!マスターズ勝てる 米賞金ランク1位&日本人最多米4勝

[ 2017年2月7日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー フェニックス・オープン最終日 ( 2017年2月5日    米アリゾナ州スコッツデール TPCスコッツデール=7266ヤード、パー71 )

松山英樹(AP)
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 快挙ずくめの優勝だ。首位と4打差の3位から出た松山英樹(24=LEXUS)が1イーグル、3バーディー、ボギーなしの66で回り、通算17アンダー、267で並んだウェブ・シンプソン(31=米国)とのプレーオフを4ホール目で制して逆転優勝を飾った。米ツアー通算4勝目は日本勢の単独最多。今季2勝目で米ツアー賞金ランキングで1位に立った。大会連覇は史上6人目。いずれもメジャーを制している5人のレジェンドに肩を並べた。

 ガッツポーズはカップインと同時だった。この日、22ホール目。3メートルのラインを読み切った松山はフライング気味に体を開き、球がカップに消えたのと同時に力強く拳を握る。昨年大会でファウラー(米国)を下したのと同じプレーオフ4ホール目、17番パー4で決着をつけた。丸山茂樹の3勝を抜く日本人単独最多4勝目。「日本で(史上)一番の選手かと言われると、僕はまだそうは思わない」とは、いかにも完璧を求める男らしい。だが、「いいプレーかどうかは分からない。けれど勝つことができてうれしい」。その言葉には充実感がにじんだ。

 大会連覇。自身初のシーズン2勝。賞金ランク首位返り咲き。自己最大4打差からの逆転。快挙ずくめの優勝は簡単な道のりではなかった。3番パー5のイーグルで反撃ののろしを上げた。1Wで313ヤードを飛ばし、4Iで放った残り254ヤードの第2打は、グリーン奥の傾斜を利用してピンそば80センチにつける技ありショット。パットを簡単に沈め「今年もいけるんじゃないか」と勢いづいた。後半は首位の安秉勲(アンビョンフン、韓国)が崩れるのを尻目に前進。15番でのバーディーでついに首位に立った。決めれば優勝の18番第3打。しかし、6メートルのバーディートライはわずか数センチを残してカップ前に止まってしまった。

 12年全米オープン覇者、W・シンプソンとのプレーオフは一進一退。だが集中力は途切れない。過去プレーオフ4戦全勝のデータはもちろん、松山を後押しするもう一つの出来事があった。

 ソニー・オープン後の1月中旬。松山はロサンゼルス在住の丸山の元を訪れていた。「スイングのイメージを変えたらアプローチが悪くなった。そういうことってありますか」。丸山はスイングをチェックしたが、心配すべき点は見当たらない。「良い感じで打てているよ」。松山の不安は消えた。「(丸山の3勝に)挑戦したのは僕だけ。超えられてよかった」。大先輩に勝利という最高の形で恩返しをした。

 アーノルド・パーマーやベン・ホーガン(いずれも米国)ら過去にこの大会を連覇した5選手はいずれもメジャーに勝ったレジェンド。「凄い選手ばかり。自分もできたらいいなと思っていた」と話す松山にもメジャー制覇への期待がかかる。4月にはメジャー第1戦のマスターズ(6日開幕、米ジョージア州)が待ち構える。「自信?微妙ですね。プレーオフ4ホールやったぐらいでへばっているようじゃ話にならない。オーガスタまで、しっかりトレーニングしたい」。いくつもの“快挙”も通過点。松山にとって、マスターズ制覇は決して夢物語ではない。

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2017年2月7日のニュース