稀勢初V 綱の自覚 白鵬ら初戦敗退も土俵盛り上げた

[ 2017年2月6日 05:30 ]

優勝した稀勢の里(左)は貴乃花親方から優勝杯を渡される
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 第41回大相撲トーナメントが両国国技館で行われ、新横綱の稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)が大会初優勝し、賞金250万円などを獲得した。白鵬、鶴竜の両横綱がともに初戦敗退する中、決勝では平幕・貴ノ岩を突き落としで破り横綱の責任を果たした。国技館では初となる横綱土俵入りも無難にやり遂げ、横綱の風格を漂わせた。

 初めて賜杯を抱いた初場所千秋楽から2週間。その間に大関から横綱になった稀勢の里が再び土俵上の表彰式に臨んだ。優勝杯を貴乃花巡業部長(元横綱)から受け取る際、「よかったなあ」と祝福されると「ありがとうございます」と引き締まった表情で答えた。「光栄なこと。いろいろとアドバイスもいただいてるので感謝しかない」。初優勝の初場所とはまた違う喜びを感じた。

 1日で優勝者を決めるトーナメント大会。本場所と違っても、稀勢の里は勝負にこだわる。「こういうトーナメントは大事と思っている」と初戦の2回戦から厳しい相撲を続けた。決勝は貴ノ岩に懐に入られながら、右の首投げで相手の体勢を崩し、そのまま突き落とし。他の横綱大関陣が準々決勝までに姿を消す中、横綱の意地を見せた。「優勝できて自信になる」。トーナメント大会は昨年10月の全日本力士選士権に続いての優勝で、両国国技館では初場所も含めて3連勝となった。

 新横綱ながら、既に横綱の風格が漂う。1月27日の明治神宮に続き、国技館初お披露目となった横綱土俵入り。前回は左足で四股を踏む前の所作を間違えたが、この日は「緊張した」と言いながらも1分20秒で堂々と完遂した。「独特なすり鉢状で声が中央に集中するから(明治神宮とは)違いましたね」。四方から降り注ぐ「稀勢の里〜」「日本一」という温かい声援を肌で感じながらの土俵入りとなった。

 横綱昇進後は慌ただしい日々を送っているが「休むときにしっかり休んでいる」だけに「今は疲れもほとんどない。非常にいい状態。休むときにしっかり休んでいるから」という。連覇を狙う春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)まで残り5週間。「しっかり稽古して、一つ一つ焦らずにやっていきたい」。フィーバーの中でもマイペースで仕上げていく。

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2017年2月6日のニュース