稀勢 綱初稽古も自己流貫く 土俵入らず四股、すり足の基本徹底

[ 2017年2月2日 05:30 ]

朝稽古で汗を流す稀勢の里
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 新横綱が入念な体づくりから連覇を目指す。初場所で初優勝を飾って第72代横綱に昇進した稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)が1日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で稽古を再開。土俵には入らず、四股やすり足の基本運動を中心に1時間強、汗を流した。常に優勝が期待される地位となっても調整方法は大きく変えず、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けて、まずはしっかりとした下地をつくっていく。

 午前9時前に稽古場に下りてきた稀勢の里は、黙々と四股を踏み続けた。新横綱の稽古再開とあって普段の2倍以上の約40人の報道陣が詰めかける中、スクワットを終えると再び四股を踏み、さらに腰を深く下ろしてのすり足。全体の稽古が終わっても、土俵の外で仕切りの確認をした。

 初場所後は横綱昇進関連の行事が続いた。週明けに幾分ゆっくりできたことで「体調はだいぶ戻った」という。稽古をするのは初場所千秋楽以来、10日ぶり。報道陣の多さに「知らない顔が多い」と苦笑いしながら、基本運動が中心だったことに関しては「しっかり体をつくるという気持ち」と説明した。

 最高位となって、稽古場の木札は「大関」から「横綱」に変わった。「横綱の名に恥じぬよう精進いたします」という覚悟はできているが、番付発表、本場所までの調整は変えない。「特別なことはできない。しっかり稽古して、本場所でいかにいい相撲を取れるかという準備をしなきゃいけない。あとは僕の仕事じゃない。しっかり土俵の上で、よい姿を見せるというのが仕事だと思っている」と言い切った。

 大関昇進後、巡業のない2月、6月のあとに行われる春場所、名古屋場所は一昨年まで目立った成績を挙げられず、11勝が最高。だが、年間最多勝となった昨年はそれぞれ13勝、12勝を挙げた。調整方法に手応えをつかんでおり「巡業がない分、部屋でじっくりできる」とプラスに捉えられるようになった。元横綱・隆の里の先代師匠から授けられた「稽古はウソをつかない」という言葉。今後もそれを継続していく。

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2017年2月2日のニュース