16歳の美宇 佳純倒して最年少女王!リオ出場逃した悔しさで変身

[ 2017年1月23日 05:30 ]

卓球全日本選手権最終日 ( 2017年1月22日    東京体育館 )

優勝しガッツポーズをする平野美宇
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 高校1年の新女王が誕生した。女子シングルス決勝で世界ランク9位の平野美宇(16=エリートアカデミー)が、昨年の決勝で敗れた同4位の石川佳純(23=全農)を4―2で撃破して初優勝を飾った。16歳9カ月での同種目制覇は、高校2年で17歳1カ月の佐藤利香を上回る史上最年少記録。代表に決まった世界選手権(5〜6月、ドイツ・デュッセルドルフ)で、打倒・中国とメダル獲得を誓った。

 石川の気迫にも押されない。闘志をむき出しにして、平野が立ち向かった。優等生だった自分は、もういない。「好感度をアップするために頑張っていたんですけど、試合に勝つのがスポーツ選手。別に嫌われたっていい」。年上だって気にしない。打ち抜いて、攻め抜いて、史上最年少での日本一。「今年優勝しないと最年少記録にならなかったので、勝ててうれしい」。あふれる涙を拭い、あどけない笑みを浮かべた。

 昨年と同カードの頂上決戦だが、メンタルは昨年と違う。今年は戦前から「優勝」と意識的に口にし、前日(21日)も「決勝に行ければ優勝できるんじゃないか」と強気に言い放った。同い年の親友・伊藤美誠と組むダブルスの「みうみま」として有名になったが、トークでは口数少なく「みま」の陰に隠れていた。変わったのは、リオデジャネイロ五輪出場を逃してから。「好感度なんか気にしても駄目」。夢舞台に立てなかった悔しさが、自らを解き放つ契機だった。

 3―1で迎えた第5ゲーム、8―2と優勝まであと3点と迫りながら、石川に逆襲されて落とした。「少し優勝を意識してしまった」と反省したが、すぐに切り替えられた。タフなメンタルに加え、パワーでも圧倒して昨年のリベンジ。「足腰から力を入れて打つことを練習してきた」。補欠だったリオ五輪後、W杯で史上最年少優勝を飾り、世界最高峰の中国スーパーリーグにも参戦。厳しい環境に身を置くことで、急成長を遂げた。

 新女王として、5月29日開幕の世界選手権に臨む。「(日本一は)凄く気分がいい。これからは全日本チャンピオンなので、日本のエースと言われるように頑張っていきたい」。大舞台での目標は明確だ。「中国人を倒して、メダルを獲得したい!」。世界中の卓球選手から嫌われたって構わない。16歳は勝ちまくって、全てのタイトルを手に入れる。

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