逸ノ城 ジャムパンと縁切って…体キレキレ おいしい8勝目

[ 2017年1月18日 05:30 ]

大相撲初場所10日目 ( 2017年1月17日    両国国技館 )

<初場所10日目>佐田の海に寄り切りで勝利した逸ノ城
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 「モンゴルの怪物」が下克上を狙う。平幕最初の取組で登場した幕内・逸ノ城が初日から5連勝した好調・佐田の海を寄り切って2敗を死守した。212キロの巨漢ながら3秒3で仕留めるスピード相撲を披露。3度目の食事制限を今度こそ実らせて優勝戦線の主役を目指す。大関・稀勢の里が1敗で単独トップとなり、白鵬、貴ノ岩、蒼国来らも2敗で追う。

 あま〜いパンを我慢しておいしい白星を手に入れた。鋭い立ち合いで佐田の海にぶつかった逸ノ城が右を差して、素早く左上手をつかんだ。たまらず引いた相手に体を寄せ「左(まわし)取れました。完璧ですね」。3秒3で勝負を決める早業に「今日はいい感じです」と涼しい顔で勝ち名乗りを聞いた。

 早くも決めた昨年名古屋場所以来の勝ち越し。以前とは見違えるスピードが原動力だ。好物はジャムパンとクリームパン。動画サイトで動きが重かった頃の体つきを見て、九州場所前からジャムパン断ちした。昨年初場所で自己最高の214キロだった体重は212キロ。その差はわずかだが、我慢で鍛えられた精神力が土俵で発揮されている。「こんなに違うんだなと。前より(軽くなった)」と体の切れも実感。ややスッキリした“顎ライン”にどや顔を見せた。

 大きな体と憎めない風貌で注目されたが動きの重さがネックとなり足踏みが続く。脱却しようと15年初場所はデザート断ち、16年春場所は禁酒にも挑戦。しかし、結果が出ずリバウンドした。ジャムパンとはにらみ合いが続くが、先場所千秋楽で豪風に敗れ、負け越した悔しい思いが「決めたらやる」と誘惑に負けない男に変身させた。

 優勝争いについては「全然考えてないです」と無欲を強調したが、2敗までに5人がひしめく波乱の輪の中で不気味な存在だ。「冗談半分の気持ちだったら食べちゃうと思うんですけど」。本気で取り組むダイエット。ジャムパンも食べたいところだが、喉から手が出るほど欲しいのは目の前の白星だ。(宗野 周介)

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2017年1月18日のニュース