高安 波乱演出!2横綱3大関撃破 17年輝きトリ戻す

[ 2017年1月17日 05:30 ]

大相撲初場所9日目 ( 2017年1月16日    両国国技館 )

<初場所9日>高安に押し出される白鵬
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 上位キラーの小結・高安が横綱・白鵬も突破した。立ち合いで当たり勝ち、休まず前に出て押し出し。14年九州場所6日目以来、2年2カ月ぶりの白鵬戦勝利となった。昨年九州場所で大関獲りに失敗したが、2横綱3大関を撃破して、再び存在感を示した。単独トップだった大関・稀勢の里はカド番大関・琴奨菊に敗れて初黒星。1敗は平幕・貴ノ岩と2人で、白鵬、平幕の勢、北勝富士、蒼国来、逸ノ城が2敗で追う展開となった。

 全ての力を折り畳んだ右腕に込めた。高安は思い切り右から当たって白鵬の上体を起こすと、突き放して前に出た。土俵際で回り込まれたが、しっかりついていって押し出し。過去15戦で1勝しか挙げられなかった横綱に、2年2カ月ぶりに土をつけた。

 「思い通りの展開。考えていた通りの相撲ですね。気持ちいい」

 イメージしていたのは、まわしを取りにいくのではなく「思い切り当たる」ということ。横綱の仕切りの位置が普段より近いと感じ、立ち合いでは仕切り線より約10センチ下がった。「自分の当たりやすい位置を考えて」という理由だった。横綱戦でも熱くならず「周りが見えていた。一発当たって下がったのが分かった。あとはしっかり突っ張っていこうと」と冷静に白星をもぎ取った。

 3度目の小結となった昨年名古屋場所から11勝、10勝と連続2桁勝利を挙げ、九州場所で初の大関獲りに臨んだ。12勝以上が昇進の目安だったが中盤に5連敗を喫するなど7勝に終わった。「内容のよくない相撲を取って後手後手になった。崩れてしまい、修正しても勝てない。弱さが出た」。先手を奪えなければ勝てないと肝に銘じ、今場所は2日目の照ノ富士戦、7日目の琴奨菊戦に続く3秒前後の速攻で、2横綱3大関撃破を成し遂げた。

 直前の取組では稀勢の里が初黒星を喫していただけに、1敗の白鵬を破ったことで兄弟子の“アシスト”にもなった。だが「一番は自分のため」と言い切る。波乱の土俵を演出して3敗を守ったことで、勝ち続ければ優勝の可能性も出てくる。場所中には「優勝争いをしたい」と宣言していたが、この日も「強い気持ちを持ってやりたい」と言い切った。大関獲りに向けての再出発だけでなく、チャンスがある限り賜杯も目指していく。

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2017年1月17日のニュース