カド番琴奨菊 陥落大ピンチ!7日目で早くも5敗「あー!」

[ 2017年1月15日 05:30 ]

大相撲初場所7日目 ( 2017年1月14日    両国国技館 )

叩き込みで高安(左)に敗れた琴奨菊
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 カド番の大関・琴奨菊が小結・高安のはたき込みに屈して5敗目となり、陥落の大ピンチを迎えた。乗り切った過去6度のカド番でも7日目までの5敗は例がない。横綱・白鵬と大関・稀勢の里はともに7連勝。横綱・鶴竜は連敗を3で止めた。横綱・日馬富士は右脚の負傷のため、この日から休場した。平幕の貴ノ岩、蒼国来、佐田の海が1敗で全勝の2人を追っている。

 支度部屋の風呂から、琴奨菊の叫び声が聞こえた。「あー!」。そこから出て座ると「あー、くそっ」。その後は放心したような表情で無言。高安に完敗し、7度目のカド番は7日目で早くも5敗目を喫した。再び重い口が開いたときには反省の弁だけが漏れてきた。

 立ち合いで高安のかち上げに後退。突っ張られて後ろに重心がいくと、はたき込みにバッタリと手をついた。「まあ弱い…。自分を信じて前に進むしかない。リセットして新たな気持ちでいかなアカン。全てが負の連鎖で進んでいる」

 過去6度のカド番では7日目までに最低3勝はしている。2勝の今場所は5年以上維持した大関残留へ最大の危機だ。場所前の4日に行われた二所ノ関一門の連合稽古では稀勢の里を7勝3敗と圧倒。だが、ここで歯車が狂いだした。思いのほか好調なことで「(大関から)落ちたら落ちたで頑張ればいい」と話していた攻めの姿勢から、守りの気持ちが芽生えた。調整法も進化を求めながら、逆に「体を大事にしすぎた」。気がつけば悪い流れへ向かっていた。

 4月には妊娠中の祐未夫人が第1子を出産予定。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)と琴奨菊は「子供の記憶に、相撲を取っている父の姿を焼き付けよう」と誓い合っていた。だからこそこの日、師匠は「ここが辛抱する時だ」と奮起を促す一方、仮に関脇へ転落しても引退させない考えを示し、「すぐに10勝すれば戻れる。諦めたら終わり。はい上がった姿こそが尊い」と背中を押した。琴奨菊も「壊れてもいい。やらなアカン」と必死に前を向いた。

 陥落回避には残り8日で6勝が必要。そのうち2横綱、3大関との対戦が待っている。大関での過去31場所で、後半戦だけで6勝以上を挙げたのは4度だけ。1年前の初場所では初優勝で日本中を熱くした。それから1年、今は正念場を迎えている。

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2017年1月15日のニュース