稀勢の里 悠々5連勝!今場所2金星の御嶽海を圧倒!

[ 2017年1月13日 05:30 ]

大相撲初場所5日目 ( 2017年1月12日    両国国技館 )

好調の御嶽海をのど輪で攻める稀勢の里
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 悲願の初優勝を目指す大関・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)が好調の平幕・御嶽海(24=出羽海部屋)を退けて、全勝を守った。2横綱1大関を破っているホープに押し込まれる場面もあったが、最後は左四つに組み止めて寄り切った。初日からの5連勝は、12連勝した昨年夏場所以来4場所ぶり。横綱・白鵬(31=宮城野部屋)も無傷の5連勝。平幕の貴ノ岩(26=貴乃花部屋)、蒼国来(33=荒汐部屋)、佐田の海(29=境川部屋)を含め、5人がトップに並んでいる。

 相手の攻めをしっかり受け止めた上で、最後は自分の形に持ち込んだ。「最も横綱に近い」と言われ続けている稀勢の里が見せた横綱相撲と言える取り口。「落ち着いていけばどうにかなると思った。よかったんじゃないですか」。土俵上の冷静沈着な様子は取組後の支度部屋でも変わらない。全勝を守った大関は威風堂々としていた。

 2日目に日馬富士、4日目に鶴竜を破っている御嶽海をなかなかつかまえられなくても、右喉輪、左おっつけで懐には入れなかった。左差しを許して出られても、左下手をつかめば問題なし。さらに右上手を引くと、胸を合わせ万全の寄り切り。土俵下で審判長を務めた藤島親方(元大関・武双山)は「相手の押しに対して自分で押し返している。慌てると体が軽くなり隙が生まれるが、どっしりとしている」と稀勢の里の安定感を評価した。

 本場所と本場所の間に行われる地方巡業で、稀勢の里は積極的に朝稽古の土俵に上がる。稽古相手は若手を指名することが多く、昨年4月に長野県松本市で行われた春巡業ではご当地力士の御嶽海に胸を出した。「自分も力を出さないと相手も力が出ない。怒らせても力を出させないといけない」。相手が成長すれば自分にとっては厄介な存在となるが、角界を盛り上げるために伸び盛りの若手を鍛え続ける。この日は御嶽海の成長を聞かれ「そう思いますよ」と認めながらも三たび返り討ちにし、相撲協会の看板の役目を果たした。

 初場所は稀勢の里が最も苦手としている場所と言える。大関昇進後の過去5年は11勝が最高(12、15年)で、14年は唯一の負け越しも経験している。冬場で体調を崩しやすいことも要因になっているが、悲願の初優勝、その先にある横綱昇進に向けて、現在は細心の注意を払っている。都内の自宅で加湿器を使っているだけでなく「どの部屋にも置くようにしている」と複数個準備している。「体調管理は難しいが、それも相撲と思ってやっている」。日常生活の全てを土俵上で結果を出すために費やしている。

 横綱大関陣の全勝は白鵬と2人だけで、1敗もいなくなった。早くも白鵬とのマッチレースの様相だ。全勝や14勝などハイレベルな優勝なら、場所後に横綱昇進の可能性もある。悲願に向けて、ストイックに白星を重ねていく。

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2017年1月13日のニュース