清水“空手バカ一代”金への一本道歩む「孤独越え強くなりたい」

[ 2017年1月12日 05:30 ]

空手・清水希容
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 ミキハウスグループの新春祝賀会が11日、大阪市内であり、所属選手が新年の誓いをした。2020年東京五輪の新種目、空手(形)の清水希容(23)は一匹狼で「金」への一本道を歩む決意。同社・木村皓一社長(71)の金メダル号令に応えていく。

 「空手バカ一代」が現代に舞い降りた。20年東京五輪で正式種目になる空手。女子形で早くも金メダル候補に挙がる清水は、社会人になった昨年4月から1人で練習を続ける。所属先のミキハウスの新春祝賀会。あでやかな赤い振り袖姿に身を包んでも心は違う。一匹狼で精進する決意を見せた。

 「孤独を感じることはあるけど、それを越えないと。強くなりたい」

 会社は空手をする新入社員1人のために、イタリア製の数百万円する競技用マットを購入した。国際大会では一般的ながら、国内では珍しいもの。「滑りやすい」という世界基準の足場で普段から練習していることが、昨年の世界選手権2連覇につながった。「そのおかげで足元を気にせずに大会に臨めた」。会社への感謝は計り知れない。

 後輩の加入予定がない女優・綾瀬はるか似の美女を、同社の木村社長は早くも「(東京五輪は)金やろね」と太鼓判。理由は「自分に厳しい」と姿勢を評価。リオデジャネイロ五輪で所属選手の金メダルはゼロ。5000万円の報奨金が手つかずで「東京ではようけ(金メダルを)取ってほしいね。払うもんは払いたい。小切手を置いたままは寂しい」と、金ラッシュ号令をかけた。

 組み手と異なり、美を競う形は1人での練習が問題ない。それでも、自分に甘えることなく世界一をつかんだ実力は本物だ。93年酉年生まれの年女。華麗な羽ばたきに裏には、一本筋が通ったガッツが隠されている。

 ◆清水 希容(しみず・きよう)1993年(平5)12月7日生まれ。大阪府出身。小学3年で空手を始め、東大阪大敬愛高3年時に全国高校総体の女子形で優勝。関大では、14年世界選手権の同種目で金メダル。昨年春にミキハウスに入社。10月の世界選手権で連覇を達成した。1メートル60。

 ▽空手バカ一代 巨匠・梶原一騎原作の1970年代の名作漫画。空手家・故大山倍達氏を題材にしたフィクション。主人公は山にこもっての修行で覚醒。世界各地で空手家や格闘家と決闘を繰り広げる。漫画の影響を受けて空手ブームが起きた。

 ◆ミキハウスグループ新春祝賀会出席者 川中香緒里、永峰沙織(アーチェリー)、寺内健(飛び込み)、三井梨紗子(シンクロナイズドスイミング)、鈴木聡美(競泳)、山部佳苗(柔道)、羽根田卓也(カヌー)、清水希容(空手)

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