青学大・原監督 渋谷区成人式でメッセージ 努力の大切さ説く

[ 2017年1月9日 15:02 ]

渋谷区の新成人を祝う会でメッセージを述べた青山学院大陸上競技部・原晋監督
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 第93回箱根駅伝で3連覇と大学駅伝3冠を史上初めて同時達成した青学大の原晋監督が9日、東京都渋谷区の明治神宮会館で行われた「新成人を祝う会」に出席し、集まった新成人に向けてメッセージを述べた。

 メッセージは以下の通り

新成人の皆さん、本当におめでとうございます。

これまで様々な挫折や、支え、あるいはハッピーなできごともたくさんあったと思います。皆さんはこれまで、友人やあんなに恋した恋人とケンカして何日も口をきかずに、そのまま疎遠になったこともあったでしょう。あるいは、クラブ活動で全国大会を目指す目標を達成できなかったこともあったでしょう。あるいは、高校大学受験に失敗して希望する先の夢がかなわなかったこともあったでしょう。あるいは、ゆとり世代と称されて“できない、できない”と、あるいは“我慢が足りない”と、ばかにされたこともあったでしょう。反抗期のある日、親とケンカして家出してご両親に迷惑や心配を掛けたこともあったでしょう。既に家庭を持ち家族のために精一杯汗を流して仕事に邁進している人もいるでしょう。あるいは、将来の夢に向かって学業に励んでいる人もいるでしょう。あるいは、いまだ方向が見つからず立ち止まっている人もいるでしょう。

しかし、こうして20歳を迎えることができたのは、生きているからなのです。

思うようにならないのが社会であり、思うようになるような社会の実現に向けて努力するのが、人間であり、若者なのです。

私も、今こんにちは箱根駅伝3連覇、3冠の駅伝監督となり、少しだけちやほやされていますが、現役時代はそんなに立派な男ではありませんでした。実業団選手としては5年でクビを宣告された男です。箱根駅伝も私は走ったことはありません。指導者実績も全くありませんでした。サラリーマンだった中国電力時代も約300人の同期入社の一番底辺にいた男でした。

しかし、ある日、ふと思ったのです。人を恨んだり、ねたんだり、憎んだりしても仕方がないのだと。前向きにチャレンジしていくからこそ未来が開けるものなのだと、そういうふうに思いました。常に今与えられたものに対して精一杯努力して、今できることの理屈を考えながら、半歩ずつ努力を積み重ねてきたところなのです。ここに参加されている全員が努力したからといって夢開くものでは決してないと思います。しかし、努力をやめた瞬間に自分の夢は立ち消えます。どんな小さな努力でもいいですから、自分の夢を忘れることなく精一杯夢に向かってチャレンジしていだだきたいと思います。

最後に、皆さんを支えるための、皆さんが成長するための3つのキーワードについてお話しして締めくくりたいと思います。

「支え」「責任」「覚悟」です。

これまで多くの人に支えられたと思います。これからも社会が君たちを支えていきます。しかし、一歩ずつ半歩ずつ成長していく中で、今度は君たちが社会を支えていくように努力をして下さい。そして責任です。何も最初から大きな責任を抱え込む必要はありません。今できるほんの些細なことに対して責任を持って努力をしていって下さい。そして最後に覚悟です。何をするにも覚悟を持って挑戦していけば、できるできないは別として“ここまで俺はやったのだ”ということが、自分自身へのご褒美に変わってくるのだと思います。

渋谷は日本一若者が憧れを抱く場所です。渋谷は若者文化の情報発信の拠点です。これからも全国、いや世界の多くの皆さんから愛される渋谷となるために、一人一人が努力していこうではありませんか。

本日は本当に成人おめでとうございます。

サンキュー!!

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2017年1月9日のニュース