錦織 “格下”に脱帽 17年開幕Vならず…決勝5連敗

[ 2017年1月9日 05:30 ]

ブリスベン国際男子シングルス決勝   錦織2―6、6―2、3―6ディミトロフ ( 2017年1月8日    オーストラリア・ブリスベン )

ポイントを奪われ肩を落とす錦織圭(AP)
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 男子シングルス決勝で、世界ランキング5位の第3シード、錦織圭(27=日清食品)は同17位の第7シード、グリゴル・ディミトロフ(25=ブルガリア)に2―6、6―2、3―6で敗れて、初優勝を逃した。臀部(でんぶ)を痛めるアクシデントもあり、最後は根負け。今季初優勝はならなかった。次戦の全豪オープン(16日開幕、メルボルン)で悲願の4大大会初制覇を目指す。

 新年最高のスタートとはならなかった。錦織は最終ゲームでは思うようなプレーができないいら立ちから、ラケットをコートに叩きつける場面もあった。昨年2月のメンフィスオープン以来のツアー12勝目にあと一歩と迫りながら、格下相手に悔しい黒星を喫した。

 「(相手の)ディフェンスが良くなっていて、やりづらかった。1セット目のチャンスを逃してしまったのがもったいなかった。最終セットはもっと自分から(攻めて)いけばよかった」

 序盤で波に乗れなかった。第1セットは第1ゲームで2度、第3ゲームで1度のブレークポイントをつかみながら、攻めてミスが出た。過去3戦3勝と相性のいいディミトロフに勢い付けるきっかけを与え、2―2から4ゲームを連続で失った。

 第2セットは守備から立て直し、我慢して相手のミスを誘った。2―2で迎えた第5ゲームでブレークに成功すると4ゲームを連取して奪い返した。だが、アクシデントに見舞われる。昨年10月の楽天ジャパンオープンでも負傷した臀部に痛みが出て、最終セット開始前にメディカルタイムアウトを取った。集中力を切らさずにプレーを続けたものの、3―4で迎えた第8ゲームで、得意のラリーでミスが出てブレークを許した。勝機を自ら手放し、これでツアー決勝は5連敗となった。

 それでも着実にステップアップしている。昨年はリオ五輪銅メダル、全米オープンベスト4などの実績を積み上げた。そして迎えた今季開幕戦で世界ランキング3位のラオニッチ(カナダ)らトップ10の5人が出場する中で準優勝。前日の準決勝では昨年の全米オープン王者のバブリンカ(スイス)を破った。

 9日のシドニーでのエキシビションマッチを経て、16日から全豪オープンが始まる。「(臀部の痛みは)大したことはない。また、優勝のチャンスはある。(準々決勝と準決勝は)いいテニスができていたのでポジティブに捉えたい」。グランドスラム初制覇を狙う全豪へ向けて、手応えはまずまずだ。

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