池江璃花子、高地トレ“解禁” メキシコで毎日6000メートル泳ぐ

[ 2017年1月7日 08:45 ]

メキシコ合宿中に世界遺産の古代都市テオティワカンを訪問した池江
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 リオデジャネイロ五輪競泳女子100メートルバタフライ5位の池江璃花子(16=ルネサンス亀戸)は、昨年12月21日に日本をたち、標高約2300メートルのメキシコシティー(メキシコ)で自身初の高地トレーニングを行っている。2020年東京五輪でのメダル獲得に向けて、心肺機能を強化する上で効果的と言われる高地トレを“解禁”した日本女子競泳界のエースが、メキシコからスポニチにメッセージを寄せた。

 私は今、東京オリンピックに向けた初めての高地トレーニングで、メキシコ中南部のメキシコシティーに来ています。ここは標高が2300メートルもあるので、酸素が薄くて階段を上るだけでも最初は息が切れていました。初めの1週間は体を慣らすことを目的とした軽い練習が多かったので、1回の練習で泳ぐ距離は5000メートルくらいでした。それでもきつかったのですが、今では毎日6000メートルほど泳げるようになりました。

 普段は7000メートルを泳ぐ日本での練習とは違って、体が慣れるまでは追い込むことができませんでした。ただ、ここで泳ぎ込む18日間で心肺機能が強化されれば、疲れが出てくるレースのラストで粘ることができると思うので、まだ記録は伸びると信じています。みんなから「平地に戻ったら楽」という話をよく聞くので、日本に帰国してから出場する大会でどれくらいのタイムが出るのか本当に楽しみです。

 メキシコではアパートを借りて暮らしています。白いご飯が出てきてとてもうれしいです。たまに朝からパンケーキが出たりもします。クリスマスもお正月も、夜は部屋にいましたが、元日に足を運んだ世界遺産のテオティワカンのピラミッドはとても迫力がありました。頂上は辺りを360度見渡せるパノラマビューで、きれいな景色を見て新鮮な気持ちになり、パワースポットでいっぱい光を浴びて力がみなぎってきました。めったにできない経験ができて、とてもリフレッシュできました。

 ここに来たのも目標にしている東京オリンピックでメダルを獲るためです。約3年半後の夢の舞台に向けて、まずは7月にハンガリーのブダペストで行われる世界選手権に出場して自己ベストを更新して、表彰台に上がりたいです。そして、リオデジャネイロ五輪400メートルリレーで一緒に戦い引退した内田美希さん、松本弥生さん、山口美咲さんの分まで、自分が日本の水泳界を引っ張っていける存在になるため、全力で頑張ります。これからも応援よろしくお願いいたします。

 ▽テオティワカン遺跡 メキシコシティーの北東約50キロに位置する。紀元前から繁栄し、紀元後350〜650年頃に最も栄え、8世紀頃には滅亡していたといわれる。巨大なピラミッドや神殿群が無数に立ち並ぶ。代表的な建造物は世界3大ピラミッドの一つといわれる「太陽のピラミッド」。

 ▽池江のリオデジャネイロ五輪VTR 日本競泳陣最多の7種目に出場した。得意の100メートルバタフライ=写真=は予選、準決勝で日本記録を更新。決勝でも56秒86をマークして記録を塗り替え、3位とは0秒23差の6位となった。その後、4位だった陳欣怡(中国)がドーピング違反で失格となり、池江の順位は5位に繰り上がった。400メートルリレー、800メートルリレーでそれぞれ決勝に進んだが、その他の種目は予選、準決勝で敗退した。

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