東福岡、3冠あと1 モール攻撃に大苦戦も 逆転1点差

[ 2017年1月6日 05:30 ]

第96回全国高校ラグビー第6日   東福岡25―24御所実 ( 2017年1月5日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<東福岡・御所実>力強い前進を見せる東福岡・古賀
Photo By スポニチ

 最大11点差をつけられる劣勢を救ったのは途中出場の1年生CTB吉村だった。前半、御所実のモール攻撃に押し込まれて8―19。後半も4本目のトライを決められ、差をつめられない。ただ、ロック箸本主将は冷静だった。

 「自分たちの反則から相手の得意なモールでトライを取られていた。ハーフタイムでは後半は反則をしないよう規律を守ってプレーしようと話し合った」

 後半20分にWTB山下がトライを奪い6点差。藤田雄一郎監督は、難しい角度のコンバージョンキックを吉村が決めたシーンをポイントに挙げる。「あのゴールがすべて。森のアクシデントで途中で出て決めるのだからすごい」。箸本主将も「キックは個人技。こつこつ努力してくれたことに感謝したい」と頭を下げた。このビッグプレーで4点差。東福岡が試合の流れを引き寄せると、24分には敵陣ラインアウトから右ロックの箸本主将が「こじ開けてやろうという強い気持ちで行った」と中央突破。フォローしたSH隠塚がインゴールに飛び込んでついに逆転。最後は3分半に及ぶ御所実の波状攻撃を必死に防ぎ、2年ぶりの決勝進出をつかんだ。

 12点差をひっくり返した準々決勝の京都成章戦に続く逆転勝ち。箸本主将らの展開を読むゲームマネジメント力に加え、2回戦で20本中18本のゴールを成功させた森に代わって出場した吉村の存在が示すように選手層の厚さも大きな勝因だ。

 「疲れました。負けゲームだったけれどよく追い上げてくれた」。指揮官も選手の粘りを手放しでたたえた。2年ぶりに進む決勝は過去2度の頂上対決で1勝1敗の東海大仰星が相手。2試合連続の逆転勝ちでたくましくなった東福岡が強敵を倒して3冠をつかむ。

続きを表示

2017年1月6日のニュース