東海大仰星 初の連覇へ王手 桐蔭学園を返り討ち

[ 2017年1月6日 05:30 ]

第96回全国高校ラグビー第6日   東海大仰星29―21桐蔭学園 ( 2017年1月5日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<東海大仰星・桐蔭学園>前半10分、トライを決めた長田(左)と抱き合う河瀬
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 準決勝2試合が行われ、Bシードの東海大仰星(大阪第1)はAシードの桐蔭学園(神奈川)との昨年度決勝カードを29―21で制し、2大会連続5度目の優勝に王手をかけた。一方、2大会ぶり6度目の頂点を目指す東福岡は11点差を逆転し、御所実(奈良)に逆転勝ち。Aシード校同士の一戦を制した。両校が決勝で対戦するのは東海大仰星が制した第86回、東福岡が勝った第91回に続いて3度目。決勝は7日午後2時5分から行われる。

 強烈な「鬼タックル」を次々に見舞った。21―14の後半12分。東海大仰星WTB根塚が、敵陣22メートル付近で桐蔭学園のエースCTB斉藤を仰向けに倒すと、すぐに起き上がって次の獲物に刺さった。続く苦し紛れのパス回しも見逃さない。ゴールライン前でパスを受けた相手プロップにぶち当たってインゴールにひっくり返した。

 「ディフェンスで前に出ることができたら、相手に精神的にダメージを与えられる」

 このプレーで得た5メートルスクラムを起点にしてFB河瀬がトライ。26―14と引き離すきっかけを、1メートル73、80キロの決して大きくないタックラーが1人でつくり上げた。根塚は後半5分の3人抜きのトライよりも「1プレーで3タックル」に快感を覚えていた。

 FWが肉弾戦で制した3日の東京戦の夜、闘争本能に火が付く出来事があった。仰星を2度の頂点に導いた土井崇司前監督(東海大テクニカルアドバイザー)が宿舎を訪れ、一言メッセージを残した。日本ラグビーの開祖、故大西鉄之祐元代表監督の著書「闘争の倫理」の一節を用いて「ルールがある殺し合いだ」と気合を入れられた。勝利には激しさが必要不可欠。普遍の真理を改めて気付かされた。

 「応援をしてくれた人のためにも、命がけでここは勝ちきらないといけないと思った。闘争の倫理の言葉は、みんなの心に響いていたと思う」と根塚は話した。

 今春の全国選抜大会準決勝で敗れた因縁の相手にリベンジを果たし、9カ月分の成長を証明した。チーム初の連覇への鍵はディフェンス。それは全員が分かっている。仰星には、タックルの鬼がそろっている。

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2017年1月6日のニュース