早大まだ届く2位 「こんなもんか!」沿道からの声が安井の心に火

[ 2017年1月3日 05:30 ]

第93回箱根駅伝 ( 2017年1月2日    東京・大手町~箱根・芦ノ湖、往路5区間107・5キロ )

4区・鈴木(右)にたすきを渡す早大の平
Photo By 代表撮影

 青学大の牙城は崩せなかったが、辛うじてくさびは打ち込んだ。33秒差の2位。3区を走った早大の平主将はレース後、部員たちに「安井の走りで流れが変わったと思う」と復路への期待を込めて語りかけた。希望をつないだのは、山上りでの安井の力走だった。

 安井は11月の全日本駅伝ではアンカーを務めた。首位でたすきを受けたものの、一色にかわされて2位。レース後は泣きじゃくって「1位のゴールテープを切りたい」と打倒青学を胸に2年連続の山上りを直訴した。だが全日本の時と違い、今回の早大は青学大の後塵(こうじん)を拝し続けた。

 4区を終えて1分29秒のビハインド。安井も序盤は足が動かず、青学大の貞永に差を広げられた。だが沿道から声が飛んだ。「しっかりしろ!」「おまえはこんなもんか!」。知り合いの声ではない。赤の他人だ。厳しい言い方だが、安井は「早稲田はファンが多い。それもいいところ」と意気に感じた。中間点の宮ノ下を過ぎたあたりから体も動き始め、最後まで必死に前を追った。

 相楽監督は「十分に射程圏内」と言った。復路には昨年9区区間賞の井戸浩貴(4年)や有力新人の新迫志希(1年)らが控えている。今年のチームのテーマは「競り勝つ」。安井のような不屈の走りができれば、最後には6年ぶりに勝つ瞬間も訪れるかもしれない。

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2017年1月3日のニュース