一色 青学大V3&唯一足りない区間賞獲り! 花の2区で花添える

[ 2017年1月1日 13:27 ]

第93回箱根駅伝 ( 2017年1月2日 )

3連覇を目指す青学大の(左から)田村、一色、下田
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 第93回箱根駅伝は2日午前8時に東京・大手町をスタートし、2日間にわたって神奈川・箱根町との往復10区間217・1キロで行われる。近年、優勝のカギを握っていた5区が、今大会から2・4キロ短縮されて20・8キロに。山上りに代わって、各大学のエースが集う2区(23・1キロ)に注目が集まる。3連覇を狙う青学大は一色恭志(4年)がスタンバイ。大学駅伝初の区間賞で、チームを優勝に導く。

 青学大という枠を超えて、一色は学生長距離界のエースだ。原監督は言う。「瀬古利彦さん以来の大スターでしょう」。かつて早大で箱根を快走し、マラソンで一時代を築いた名ランナーに例えられるほど、指揮官の評価は高い。そんな男に唯一欠けているもの。それは大学駅伝での区間賞だ。「意識がないわけじゃないけど、ばりばりあるわけじゃない」。レース中と同様、飄々(ひょうひょう)とした表情で、一色は静かに闘志を高めた。

 充実布陣で原監督が区間配置に頭を悩ませる中、一色の2区起用だけは最初から決まっていた。昨年まで最長の23・2キロだった山上りの5区が、今年から20・8キロとなる。各大学のエースがそろった2区は“花の2区”と呼ぶにふさわしい区間に戻った。山梨学院大のニャイロ(2年)ら、強力なライバルと区間賞を争う。2年時は1時間7分45秒で区間3位、3年時は1時間7分35秒で区間3位。「66分台を出したい」。日本人では過去3人しかいない1時間7分切りを狙う。

 昨年の東京マラソンで初めて42・195キロに挑み、2時間11分45秒で日本人3位に入った。この冬もマラソンに挑戦する予定だが、今は箱根のことだけを考えている。「4年間やってきたチームで、1つの大きな目標を成し遂げる機会はこの先、一生ない。後悔はしたくない」。エースの責任感が、ペースダウンを許さない。

 史上4校目の大学駅伝3冠と箱根3連覇が懸かる今大会は、原監督にとって9度目のタクト。指揮官が命名した「サンキュー大作戦」が成功するかどうかは、一色の走りに懸かっている。「絶対にやってやろうという気持ちは昨年よりも強い」。アンカーを務めて優勝に貢献した出雲で泣き、全日本では笑った。最後の箱根。2区を快走し、ゴールで仲間を迎えた時、一色はどんな表情を浮かべているだろう。 =終わり=

 ◆一色 恭志(いっしき・ただし)1994年(平6)6月5日、京都府生まれの22歳。宮城・仙台育英高から愛知・豊川高を経て青学大に進学。1年時から3大駅伝に全て出場。箱根駅伝では2、3年時に2区で連覇に貢献した。15年ユニバーシアードのハーフマラソンで銀メダルを獲得。1万メートルの自己ベストは28分23秒40。1メートル69、55キロ。

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