東海大・関 監督もほれ込むスター候補1年生 箱根でリベンジ

[ 2016年12月31日 08:30 ]

東海大・関颯人
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【箱根に駆ける・4】 新エースは俺だ!登録メンバー16人のうち8人が1年生というフレッシュな構成の東海大は、主要区間にルーキーを多数配置して勝負する。花の2区(23・1キロ)を任されるのは関颯人。両角速(もろずみ・はやし)監督が「スター選手になってほしい」とほれ込む逸材だ。

 1年生ながらエースの風格を漂わせ、政治家の小泉進次郎氏をほうふつさせる切れ長の目をした端正な顔立ち。頭脳明晰(めいせき)でスター性もある。3位となった10月の出雲全日本大学選抜駅伝では任された3区で青学大を抜いてトップに立った。両角監督でさえ「まさかエース区間で区間賞を獲るとは」と驚くほどで、すでに実力は証明されている。

 「2区は距離も長いタフなコース。自分が主要区間でしっかりいい走りをしてチームに流れをつくりたい」。監督と同じ長野県茅野市の出身。「父が走るのが好きで一緒に山を走りに行った」。実家は標高約1100メートルにあり、週末には父・貴さんと一緒に八ケ岳など3000メートル級の山を一度で20キロも走破してきた、たくましい脚力が武器。「伊達さんのタイムを抜きたい」と05年にOBの伊達秀晃が記録した1時間8分4秒に照準を合わせている。

 自然豊かな地元で培ったパワーに加え、標高3000メートルと同じ負荷をかけられる大学の低酸素室で科学トレーニングを行ってきた。世代最強の走りを出雲で見せつけたが、11月の全日本大学駅伝は感染性胃腸炎を発症して欠場。その後に復帰を急いで練習の強度を上げたことが災いして左膝を痛めた。「今は全く問題ない。全日本で迷惑をかけた分、箱根では借りを返したい」。アクシデントを乗り越えた今、東海大が浮上する鍵はこの男が握っている。(宗野 周介)

 ◆関 颯人(せき・はやと)1997年(平9)4月11日、長野・茅野市生まれの19歳。中1から陸上を始めて佐久長聖時代は全国高校駅伝に3年連続出場。3年時はエース区間の1区で1位となった。自己ベストは1万メートルが28分48秒63。1メートル78、57キロ。

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2016年12月31日のニュース