東福岡 大会新の139得点で浜松工を完封 高校3冠へ好発進

[ 2016年12月31日 05:30 ]

第96回全国高校ラグビー第3日   東福岡139―0浜松工 ( 2016年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<全国高校ラグビー2回戦 浜松工・東福岡>ゴールを18本決めた東福岡・森
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 ダントツの優勝候補が初戦から力を見せつけた。東福岡が大会史上最多139得点で大勝発進。冷静に見届けた藤田雄一郎監督は「最多得点のことは知らなかった。意識してなかった」と首を振った。

 ただ、箸本主将は違う。実は狙っていた。136得点で後半ロスタイムへ。敵陣ゴール前正面でペナルティーを得た。おそらく最後となるプレーに箸本は「スクラムでトライに行くより確実に(記録を)狙った」と迷わずPGを指示。

 試合前にレフェリーとのブリーフィングで大会最多得点が137だと知ったという。「“へぇ〜”と思って聞いていた。でも途中からいけるんじゃないかと思い始めた」。だが「みんなに言うと、いつも通りのプレーができなくなる」。自慢のフィジカルで相手の戦意を砕き、前半で70点を奪ったものの、ノーサイドまでチームメイトに記録の話は伝えなかった。

 最多記録を知らないキッカーのCTB森は「スクラムでトライを取りに行くと思った」と戸惑いながら、すぐに切り替えた。「聞いていたらプレッシャーで決められたかどうか」。苦笑いで振り返る3点で、めでたく記録更新だ。

 高校日本代表候補が実に11人もそろう東福岡の強さは破格。走れるフォワード、コンタクトに強いバックスでダイナミックな展開力を誇る。タックルされても1、2メートルと前に出る粘り、ボールを持つ選手へのフォローの厚さも非凡だ。前半1分に箸本がゴール前5メートルのラックから先制トライを決めるなど最多の5トライで引っ張った。これを合図にチームは前半10、後半10の計20トライと縦横無尽。多くのトライが中央で森はゴール18本を決めた。「左右の角度がついたの4本だけ。みんなが(蹴りやすい)真ん中に持って行ってくれた」。相手の防御網を寸断した証明だ。

 藤田監督は「1メートルでも中に入ってトライしようとする選手と、森のキックの正確さ」と初戦を統括。「みんなリラックスしていつも通りの試合ができた」と箸本も満点の手応えを口にする。選抜大会と7人制大会を制し「3冠」を目指しているチームには、2大会ぶりの頂点しか見えていない。

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2016年12月31日のニュース