桐蔭 悲願の単独Vへ今度こそ!斉藤60メートル独走トライ

[ 2016年12月31日 05:30 ]

第96回全国高校ラグビー第3日   桐蔭学園33―7流経大柏 ( 2016年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<桐蔭学園・流経大柏>独走する桐蔭学園・斉藤
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 シード校が登場して2回戦16試合が行われ、関東のAシード桐蔭学園(神奈川)は33―7で流通経大柏(千葉)を下し、3回戦進出を決めた。準優勝した昨年度もレギュラーだったCTB斉藤大朗(ひろあき=3年)が、前半28分に60メートル独走トライを奪うなどチームをけん引。前主将のSH斎藤直人(現早大1年)からエースの系譜を受け継ぐ大型センターが、同校を悲願の単独優勝へと導く。

 胸のすくようなトライシーンだった。わずか3点リードの前半28分。自陣10メートルライン右でのスクラムからSH田村、SO山田とボールが渡って内側にスペースができると、そこを背番号12が弾丸となって走り込んだ。山田からクロスパスを受けた斉藤は、詰めてきた相手ウイングにスワーブを切って一瞬で置き去りにする。60メートルを走りインゴールに飛び込む瞬間、空中で右手を突き出すド派手なトライ。たったワンプレーで、試合の流れを決定づけた。

 「単純なサインプレーですけど、空いているところを攻めていこうと話していました」。斉藤にとっては、早大に進学した斎藤が主将としてチームを引っ張り準優勝した前回大会決勝の東海大仰星(大阪)戦以来となる聖地でのトライ。最終学年で再びこの地に帰ってきたことを、自ら祝福するトライとなった。

 単独、そして東日本勢として97年度(第77回大会)の国学院久我山(東京)以来の優勝を目指す今年のチームだが、その評価は「スター不在、FWは小粒」。この日の先発で3人しかいなかった前回大会決勝の先発の一人として、斉藤は「自分が引っ張っていかないといけない」と自覚している。前半13分、WTB山口の逆転トライシーンでは、デコイ(おとり)となって内側へ突進して相手ディフェンスをおびき寄せ、外にスペースをつくった。「周りを使って自分を生かせられるようになったのは、この一年の成長」と爽やかな笑みを浮かべた。

 前半2分に先にトライを奪われるなど、初戦特有の難しさを味わいつつも、及第点の船出。藤原秀之監督も「今日は手堅くいこうと。想定通りだね」と舌は滑らかだ。試合後、選手取材を希望する報道陣全員に、マスクの着用を願い出た桐蔭学園。寸分の隙なく、単独頂点への道を歩み始めた。

 ◆斉藤 大朗(さいとう・ひろあき)1999年(平11)2月5日、東京都生まれの17歳。杉並スクールで小1からラグビーを始め、桐蔭学園中を経て桐蔭学園高に進学。目標とする選手は南アフリカ代表のCTBダミアン・デアリエンディ。50メートルは6秒1。1メートル80、84キロ。高校日本代表候補。卒業後は明大に進学予定。

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