真央トリプルアクセルに懸ける!かつての「代名詞」解禁へ

[ 2016年12月23日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権

練習にのぞむ浅田真央
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 代名詞の大技とともに元世界女王が復活する。世界選手権(17年3〜4月、フィンランド・ヘルシンキ)などの代表選考会を兼ねて開幕し、スケートアメリカ6位、フランス杯9位と苦しむ浅田真央(26=中京大)が、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)挑戦に意欲を見せた。左膝に不安を抱え今季は大技を回避してきたが、この日の公式練習で4度アタック。成功はなかったものの、24日のショートプログラム(SP)、25日のフリーで大技解禁の可能性が高まった。

 体は十分に温まっていた。公式練習開始から18分。浅田がトリプルアクセルに挑んだ。計4回のアタックで両足着氷が2度、空中でバランスを崩したのが1度、転倒が1度だった。成功はなかったものの、今季は試合だけでなく公式練習でも跳ばなかった大技に挑戦した。「全日本では跳ぼうと思って練習してきている。あす(23日)、あさって(24日)の練習で1回でも跳べたら入れたい」。最終決断こそまだだが、大技解禁へ意欲を示した。

 左膝に不安を抱え、トリプルアクセル抜きで戦ったシーズン前半。GPシリーズのスケートアメリカで6位に終わると、フランス杯はシニア自己ワーストの9位。「自信が全て失われた」と涙を流したパリから帰国すると、1週間の休養を取り左膝を休めた。「しっかり治したので、大丈夫です」。患部が癒え、心身のコンディションが上昇。「今季の中では一番、調子がいい状態で来ている」と柔らかな笑みを浮かべた。

 今大会は17年3〜4月の世界選手権の代表が懸かる。同選手権は18年平昌五輪の出場枠が決まる重要な一戦。輝く実績を持つ浅田だが、今季は代表争いでリードを許している。GPファイナルに進出できず、国際連盟主催大会の今季ベスト186・16点は日本のシニアで4番手、世界ランク21位は日本で5番手。ジュニアGPファイナルで3位に入った坂本ら若い世代の台頭もある。

 だが、浅田は何度も全日本で逆境をはね返してきた。GPシリーズで不振だった09年は優勝、同じく不振だった10年は2位。最愛の母・匡子さんが亡くなった約2週間後に舞った11年も優勝した。日本最高峰の舞台で結果を出してきた経験が、背中を押す。あす24日のSP滑走順は大トリの30番目に決まり、「引いちゃったぁ」と苦笑い。「SPとフリーで、ノーミスすることが目標です」。目指すは4年ぶり7度目の日本一。浅田が大技とともに、頂に帰ってくる。

 ▼世界選手権代表選考 男女とも枠は3。全日本選手権優勝者がまず決定。2人目は全日本2、3位の選手、GPファイナル出場の上位2選手から選考。2人目の選考から漏れた選手、全日本4〜6位の選手、全日本終了時の世界ランク上位3選手、国際連盟公認大会での今季自己ベスト上位3選手の中から3人目を選ぶ。浅田は世界ランク、今季自己ベストともに上位3選手には入っていない。

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2016年12月23日のニュース