羽生「超人」宣言 全日本5連覇へ「高ぶってる」

[ 2016年12月14日 05:30 ]

GPファイナル4連覇を達成し帰国した羽生
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 フィギュアスケート男子の羽生結弦(22=ANA)が、超人と化して進撃する。フランス・マルセイユで行われたグランプリ(GP)ファイナルで史上初の4連覇を達成し、13日に成田空港に帰国。同日に帰国したノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(20=クラレ)がW杯通算47勝とし“鳥人”と呼ばれたニッカネン(フィンランド)を超えたニュースを受け、羽生はフィギュア界の“超人”になることを宣言した。

 18年平昌(ピョンチャン)五輪で金メダルを狙う同志として、羽生は高梨の活躍を知っていた。羽生の約5時間前に帰国した高梨は、W杯通算47勝とし“鳥人”ニッカネンを超えた。試合数が違うため比較はできないが、羽生は4連覇のファイナルを含めてGPシリーズで通算8勝。「鳥人超えがニュースになってましたよね。ボクなんて4連覇しかしていない」と話した王者は、「これから、いわゆる“超人”のようになっていけたらいい」と続けた。

 羽生にはフィギュア界の超人の明確なイメージがある。小さな頃からの憧れで、06年トリノ五輪金メダリストのプルシェンコ(ロシア)だ。「最後までミスせずに演じきって、安定した成績を出さないと。毎回ミスしているようじゃ駄目だと痛感している」。プルシェンコを超えるファイナル4連覇も、プルシェンコと並ぶファイナル4勝も関係ない。フリーのジャンプでミスがあり、「充実感はない。全然、ない」と言い切った。

 昨季はNHK杯、ファイナルと2戦連続で完璧な演技を披露し、世界最高得点を連発。同大会を連勝して22日開幕の全日本選手権に臨むのは昨季と同じだが、意識は全く違う。「(昨季は)本当にいい形の優勝で、ちょっと燃え尽きていた。今回の優勝は悔しい気持ちと課題が見つかった。全日本へ凄く気持ちが高ぶっている」。年末の大一番へ、高いモチベーションを保っている。

 ファイナルで4連覇を達成し、全日本では5連覇が懸かっている。「連覇っていうのは、自分の中では続くものだと思っている」。独特の哲学を明かした22歳は、「(ファイナルの)悔しさを晴らすチャンスがある。ホントに短い時間だけど、成長したい」と闘志を高めた。完璧な演技でタイトルを積み重ねた時、羽生は人を超えた存在に近づく。 

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