貴部屋期待の佐藤 十両初優勝!新入幕決定的、来場所から貴景勝

[ 2016年11月28日 09:00 ]

大相撲九州場所千秋楽 ( 2016年11月27日    福岡国際センター )

青狼(右)を押し出しで破り、十両優勝した佐藤
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 20歳の佐藤(貴乃花部屋)が12勝3敗で初の十両優勝を飾り、来年初場所(1月8日初日、両国国技館)での新入幕を決定的にした。師匠の貴乃花親方(元横綱)の教えを守る期待の和製力士。来場所からしこ名を「貴景勝(たかけいしょう)光信(みつのぶ)」に改め、次の目標である三役を目指す。幕内では14日目に7場所ぶり3度目の優勝を決めた横綱・鶴竜が結びで横綱・日馬富士を寄り切り、14勝1敗で終えた。 千秋楽取組結果  星取表

 貴乃花部屋のホープとして順調に出世街道を歩む西十両3枚目の佐藤が初日から千秋楽まで存分に力を発揮し続けた。青狼との3敗対決。持ち前の馬力を生かして立ち合いで圧倒すると、そのまま前に出て押し出した。その後、同じ3敗だった小柳が敗れたため、初めての十両優勝が決定。「攻撃相撲を意識して常に前に攻めたのが良かった。これまでは連勝した後に連敗があったのでスタミナがついてきた。秋巡業で一日も休まずに稽古をやってきたことが結果に出てきた」。十両4場所目で自己最多の12勝目を挙げ、来場所の新入幕をたぐり寄せた。

 20歳での入幕を機に、しこ名を佐藤から「貴景勝」に改名する予定だ。由来は戦国時代の武将である上杉景勝(かげかつ)から。師匠の貴乃花親方は「私が好きな上杉謙信公。その後を継いだのが景勝です。日本の心意気や誇りの精神を抱いて土俵に上がってほしい」と説明した。10月の秋巡業の朝稽古では計22日すべて土俵に上がって汗を流した根性の持ち主。「とても真面目で負けん気が強くてやる気がある。陽気で部屋のムードメーカーでもあり、つらいこともつらいと言わない活気の強い子」と師匠も強い精神面を評価しており、部屋の将来を担う。

 佐藤は「幕内で相撲を取るのは小さい頃からの夢だった」と素直に喜んだ一方で次なる目標を「まずは三役。通用するためにはもっと力をつけないといけない。上位に行くために頑張るだけです」と早くも気を引き締めた。勝っても負けても誇らしく。幕内の土俵を盛り上げるべく、これからも稽古に精進する。

 ◆佐藤 貴信(さとう・たかのぶ)1996年(平8)8月5日生まれ、兵庫県芦屋市出身の20歳。小2から相撲を始め、小4から3年連続で夏休みに都内の貴乃花部屋に出向きキッズクラブに参加した。兵庫・報徳学園中時に中学横綱、埼玉栄高時には世界ジュニア選手権無差別級で優勝。高校在学中の14年秋場所に初土俵を踏み、今年夏場所で新十両。得意は突き、押し。1メートル73、160キロ。

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