豪栄道止まった!玉鷲に痛恨1敗 連勝20でストップ

[ 2016年11月19日 05:30 ]

大相撲九州場所6日目 ( 2016年11月18日    福岡国際センター )

玉鷲に、敗れ顔を砂だらけにし引き揚げる豪栄道

 支度部屋前のテレビモニター。豪栄道は唇から滴る血を拭こうともせず、取組の映像をじっと見た。ここまで順調だった綱獲り場所で、玉鷲に痛恨の1敗。全勝優勝した先場所からの連勝も20でストップした。

 5日目までとは別人のような相撲だった。序盤戦を見る限り、考えられないミスが3つも重なった。まずは立ち合いだ。「踏み込みがなかった。高かった。悔しいけど仕方がない」。先手を取れず、あっという間に土俵際。ここはうまく回り込み、土俵の中央に戻ったのにもかかわらず、2つ目のミスを犯す。相手と離れ、お互いに様子をうかがった場面を大関は首をひねって振り返った。「あそこで速く攻めればよかった」。今場所は立ち合いで圧倒する相撲が続き、ピンチから逆襲に転じる反応がわずかに鈍っていたのかもしれない。

 ただ、ここで再び勝機が訪れた。懐に入って右を差し、頭をつける最も得意な形。しかし、またしてもミスが…。勝負を焦って前へ出ると、突き落とされて顔面から土俵に落ちた。「あそこはしっかり、まわしを引きつけないと」。2場所ぶりに味わう敗戦に唇をかんだ。師匠の境川親方(元小結・両国)も「立ち合いがフワッとしていた」と弟子と同じ見解。攻勢の場面も「もっと密着していけば」と悔やんだ。

 反省しきりの豪栄道は「明日からです」と切り替えを誓った。土俵下で見守った藤島審判長(元大関・武双山)も「前へ出ていた」と今後に期待感をにじませる。白鵬が遠藤に敗れて全勝は鶴竜1人と、九州は混戦ムード。横綱昇進条件の2場所連続Vは、これからの相撲にかかっている。

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2016年11月19日のニュース