松山無敵V!1カ月で4戦3勝「前よりコースが易しく感じる」

[ 2016年11月14日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ最終日 ( 2016年11月13日    静岡県御殿場市 太平洋C御殿場C=7246ヤード、パー72 )

優勝した松山英樹(中)は進藤大典キャディーと笑顔で握手する

 2位に7打差をつける圧勝だった。首位から出た松山英樹(24=LEXUS)が7バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの69と伸ばし、大会新記録の通算23アンダーをマーク。アマチュアだった11年以来、今大会2度目の優勝を飾った。4日間首位を守る完全優勝は自身初。2週前の世界選手権シリーズHSBCチャンピオンズからの2戦連続優勝も初の快挙だ。ここ4試合で優勝3回、2位1回と向かうところ敵なしで、日本ツアーは今季2戦2勝。週明けにも発表される世界ランキングは再び自己最高の6位に上がる見通しだ。

 細身の19歳が史上3人目のアマチュア優勝を飾ってから5年。24歳になった松山が、今度はプロとして歴代優勝者に名を連ねた。

 「海外に行っていろんなコースに行くようになり、前よりコースが易しく感じるようになったのかもしれない」。5年の間に屈強な選手がそろう米ツアーでもまれ、優勝も経験。肉体的にも技術的にも強くたくましくなった。

 序盤はややもたついた。「9アンダーを出せば日本ツアーの記録になる。出せない数字じゃない」とツアー記録の28アンダーの更新を目指したが、前日にティーショットを右の林に入れた6番パー5でまたもトラブル。今度は1Wを大きく左に曲げ、木の根元の落ちた枝が密集した場所にボールがつかまり、あえなくアンプレアブルを宣言した。さらに4打目をグリーン右の池に入れるなどしてダブルボギー。続く7番パー3もティーショットをグリーン手前に外しボギーと2ホール連続でスコアを落とした。

 だが、心は折れていなかった。進藤大典キャディーが「慌てる様子は全くなかった。勝負どころの集中力が凄い」と話したように、8番はピンまで196ヤードの第2打を奥3メートルにつけ、バーディー。一時は2位に3打差まで詰め寄られたが、「早めに差をつけないと上がりが苦しくなる」と後半の11、13番でバーディーを奪うなど、上がってみれば2週前の優勝と同じく2位と7打差の23アンダーで圧勝した。

 実は寒さの影響で開幕前には首に違和感を覚えていた。本戦が始まっても古傷の左手首に張りを感じるなど決してコンディションは良くなかった。24日に開幕する次戦のW杯(オーストラリア)に万全の状態で臨むためには無理をしなくてもよかったはずだが、松山は違った。東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督は「どんな試合でも優勝を目指しベストを尽くすのがあいつのやり方。それが強さの秘密」と話す。飯田光輝トレーナーのケアを受けながら4日間を戦い抜いた。

 「日本では1日はまれば勝てるが、米ツアーでは3日間はまらないと勝てない」と圧勝にも慢心はない。今回の優勝により世界ランキングは再び自己最高の6位に浮上する見込みで、石川遼とのコンビで参戦するW杯に向けても弾みとなる。「“自信を持って打てる”というものを残り1週間でつくりたい。遼もそういう気持ちで来てくれると思うし、優勝できるように頑張りたい」。絶好調の怪物は、丸山茂樹、伊沢利光組以来、日本勢14年ぶりの世界制覇を本気で狙っている。

 ▽11年大会VTR 松山は初日に71をマークし、26位とまずまずのスタート。2日目は降雨によるコースコンディション不良のためサスペンデッドとなり、3日目に第2ラウンドの残りが行われた。その第2ラウンドで64と爆発して2位にジャンプアップ。最終ラウンドは首位に2打差から出ると、後半の14、15番の連続バーディーで首位に浮上した。単独首位で迎えた最終18番ではイーグルを奪うなどアマチュアながら異次元のプレーを展開。68で回って倉本昌弘、石川遼に次ぐ史上3人目のアマチュア優勝を達成した。

続きを表示

2016年11月14日のニュース