真央 髪型&メーク一新も 自己ワーストタイSP8位

[ 2016年11月13日 05:30 ]

フィギュアスケート GPシリーズ第4戦 フランス杯第1日 ( 2016年11月11日    フランス・パリ )

フランス杯第1日、女子SPで8位の浅田真央(AP)

 女子ショートプログラム(SP)で浅田真央(26=中京大)が61・29点の8位に沈んだ。今季ここまでの2戦から髪形もメークも変えて臨んだが精彩を欠きGPシリーズのSPでは自己ワーストに並ぶ順位。シニアのGPデビューとなった樋口新葉(わかば、15=日本橋女学館高)は65・02点で5位、永井優香(17=駒場学園高)は52・41点で12位。男子SPの無良崇人(25=洋菓子のヒロタ)は78・38点で6位だった。

 厳しい現実を前にしても、悔しさより安どの感情が勝る。これが、浅田の現状だ。「ホッとしている」と3度、同じフレーズを口にした。GPシリーズでのSP8位は、10年NHK杯に並ぶ自己ワーストの順位。61・29点は今季自己ワーストで、上位5人が65点を超えるハイレベルな争いに加われない。本来の滑りからは程遠かったが「とりあえず、乗り切ったかな」と振り返った。

 試合前、浅田は静かに鏡に向かい、準備を整える。今大会は過去2戦よりもアイラインを太くし、お団子スタイルだった髪形もポニーテールに変えた。「気持ちを変えたりすると、自分もいいなと思うので」。変えたかったのは外見よりも内面。前日(10日)の公式練習からジャンプのミスが目立った。「大丈夫かな」。抱いていた不安を振り払いたかった。

 左膝痛による調整不足から、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も3―3回転も跳ばない構成。ノーミスが求められる中、3回転フリップは回転不足で、髪を振り乱して舞ったステップも最高難度のレベル4には届かなかった。「いろんなところで(氷に)引っ掛かって、自分でもビックリした。氷が少し軟らかいのかな」。好調時なら気にならないようなリンクの状態ですら、負担になった。

 SP8位だった10年NHK杯は、ジャンプを一から再構築している時期だった。技術を見直していた当時とは、状況が違う。フィギュア女子ではベテランの26歳。左膝に爆弾を抱えて練習で追い込めず、本来の技術を発揮できるコンディションまで上がってこない。「目指す演技ができていないし、目指すレベルにまで到達していない。レベルアップしていかないといけない」。浅田は今、かつてない逆風にさらされている。

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2016年11月13日のニュース