松山 独り旅 3日目で20アンダー 2位に6差で完全Vへ王手

[ 2016年11月13日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ第3日 ( 2016年11月12日    静岡県御殿場市 太平洋C御殿場C=7246ヤード、パー72 )

<三井住友VISA太平洋マスターズ3日目>6番、パーパットを決めガッツポーズする松山英樹

 隙のない完璧なプレーで完全優勝に王手をかけた。首位から出た松山英樹(24=LEXUS)が7バーディー、ボギーなしの65で回り、通算20アンダーの196まで伸ばして首位をキープした。2位の宋永漢(25=韓国)に6打差をつけており、リーダーボードの上位にいるプロたちは軒並み“降参”ムード。自身初の完全優勝へ視界は良好だ。 第3R成績

 まだ18ホールを残しているのに、もはや独り旅だ。松山は最終18番パー5でグリーン左奥からのアプローチを80センチに寄せてこの日7つ目のバーディーを奪い、通算20アンダーの大台に乗せた。2位に6打差をつける圧巻のゴルフで「最後はしっかりと良いアプローチができた。今日中に20アンダーにいきたいと思っていたので良かった」と白い歯をこぼした。

 スコアを落としそうな局面でもしっかり踏みとどまるのが世界ランク7位の底力だ。6番パー5。大きく右に曲がった1Wショットは木の根元にピタリとくっついて止まった。ギャラリーがかたずをのんで見守る中、5Iでの第2打は木々の隙間をぬってラフへ抜け出した。「1回で林から出ればいいなと思っていたけど、うまく出てくれたので助かった」とナイスリカバリー。3打目はグリーン左のバンカーにつかまり、アプローチも4メートルショートしたが、パーパットを沈めて2度のピンチを冷静に切り抜け、大きく右手を振り下ろした。「あのパーセーブは凄く大きかった」と勢いづき、8番からの4連続バーディーにつなげた。

 黒いテーピングを施した左手首は「万全ではないが、悪くはない」。手負いの状態でも異次元のゴルフを披露した。東北福祉大の先輩にあたる宮里優作が「8打差はもう追いつけない」と苦笑いでぼやくと、同組で回った宋永漢は「トラブルの時の集中力が凄い。6打差なので、もう“おめでとう”ですね。みんな同じ考えだと思う」とお手上げ状態。だが、本人は「状態が悪すぎる割にはスコアが出ている」と納得のいかない表情だ。

 3日間の部門別はドライビングディスタンス299・5ヤード、パーキープ率96・3%、サンドセーブ率100%はいずれも1位と死角はなし。それでも、本人の満足度が低いことが逆に抜きん出た実力を強調する形となった。

 これで自身初の完全優勝に王手をかけ、04年にダレン・クラーク(英国)が記録した通算22アンダーの大会最多アンダーパー記録更新も目前に迫った。「自分のベストを尽くすことが大事だと思っている。油断しないで、最終日はしっかりスコアを伸ばすことだけを考えてやりたい」。圧勝ムードが漂っても慢心はない。

 ▼松山英樹の第3ラウンド部門別成績 フェアウエーキープ率57・14%=30位、パーオン率72・22%=25位、平均パット数1・6154=5位、ドライビングディスタンス305・50ヤード=1位

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