リオ銅のフォン・シャンシャン 爆買いパワーで2週連続V!

[ 2016年11月7日 05:30 ]

女子ゴルフTOTOジャパンクラシック最終日 ( 2016年11月6日    茨城県小美玉市 太平洋クラブ美野里コース=6646ヤード、パー72 )

<TOTOジャパンクラシック最終日>優勝し手荒い祝福をうけるフォン・シャンシャン(右端はジャン・ハナ)

 単独首位で出たフォン・シャンシャン(27=中国)が4バーディー、1ダブルボギーの70で回り通算13アンダーで逃げ切り大会初優勝した。先週のサイム・ダービー・マレーシアも制しており、自身初の2週連続優勝を達成。米ツアー6勝目、日本ツアー6勝目を挙げた。張ハナ(24=韓国)が通算12アンダーで2位に入った。

 3打リードで臨んだ18番パー4。フォン・シャンシャンはティーショットを左の林に入れた。第2打は出すだけで3オン。10メートルから3パットしてダブルボギー。短いウイニングパットを沈めると照れくさそうに笑った。

 単独首位でスタート。ショットがばらついた前半はパーを並べた。9番で3メートルを沈めると、そこから3連続バーディー。17番パー5は2オンに成功。6メートルのイーグルトライは外れたものの2位以下を突き放し、貯金を生かして逃げ切った。

 先週のサイム・ダービー・マレーシアに続く米ツアー6勝目。「日本で勝ててうれしい。(米国、日本、欧州ツアーで)キャリア16勝しているけど連勝は初めてなのでうれしい」と息をついた。

 07年の米ツアー最終予選会ではアイアンが折れるアクシデントに遭いながら「クラブが1本くらいなくても大丈夫」と乗り切り9位で出場権を獲得したド根性娘。11年からは米ツアーと掛け持ちで日本ツアーにも参戦。「日本のコースはフェアウエーが狭くグリーンが硬いのでショットの精度が大事。そこには自信があるし、日本のコースは自分に合っている」。今大会を含め合計37戦で6勝を積み上げた。

 中国・広州と米フロリダ州オーランドに拠点を持つ。12年全米女子プロ選手権でメジャー初制覇するなど世界を股に掛けて活躍しているが、中国を代表する使命感を胸に戦っている。母国のゴルフ界発展のためにナショナルチームの合宿地あっせん、若手への助言など労を惜しまない。8月のリオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得。「国旗の入った帽子とシャツを着けて1番ティーに立った時に誇らしい気持ちになった」と胸を張った。

 将来の目標を聞かれると「メジャーで優勝したし、銅メダルも獲得できて満足しているけど、改善の余地はある。4年後の五輪に出て金メダルを獲りたい」と東京五輪での優勝にも照準を定めた。

 日本と米国のツアーを掛け持ちしていた数年前、ハードスケジュールを乗り切るための対策を聞かれたフォン・シャンシャンは「食べること、寝ること、それから買い物よ」と答えた。食事やショッピングなどでリフレッシュして過酷な移動によるストレスを発散しているのだ。

 今回の日本滞在中もそうだった。連日、すき焼きやウナギなど日本食に舌鼓を打った。また10月31日には静岡県御殿場市のアウトレットまで足を延ばして20万円のバッグを3個も購入した。1日には宿舎近くのカラオケボックスに出かけたが、2時間ほとんどマイクを手放さなかった。歌ったのは全て中国語の曲で、スローテンポのバラードが十八番だという。

 「日本に来るのが楽しみ。私は中国人で漢字が分かるので過ごしやすい。来年も必ず出場します」と話したフォン・シャンシャン。日本で強いのは当然なのかもしれない。

 ◆フォン・シャンシャン 1989年8月5日、中国広州市出身の27歳。広州ゴルフ協会の事務局長だった父の影響で10歳からゴルフを始める。04、05年中国女子アマ連覇、07年に米ツアーの予選会を突破しプロに転向。08年から米ツアーで戦い、11年から日本ツアーにも参戦。11年meijiカップで日本ツアー初勝利。1メートル72、70キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年11月7日のニュース