笠 6差も「諦めない」 賞金ランク日本勢最高位の意地見せた

[ 2016年11月6日 05:30 ]

女子ゴルフTOTOジャパンクラシック第2日 ( 2016年11月5日    茨城県小美玉市 太平洋クラブ美野里コース=6646ヤード、パー72 )

<TOTOジャパンクラシック2日目>1番、ティーショットを放ち笑顔で第2打地点へとむかう笠りつ子

 26位から出た笠りつ子(29=京セラ)が5バーディー、1ボギーの68をマーク、通算5アンダーの16位に浮上した。前半でボギー先行も、気持ちを切らさず後半にバーディーを量産。首位と6打差ながら、賞金ランキング日本人最上位の意地で大逆転を狙う。2週連続優勝を目指すフォン・シャンシャン(27=中国)はこの日のベストスコア64をマーク、通算11アンダーで単独首位に立った。 第2R成績

 1つ年を重ねた大人の余裕だろうか。初日に29歳となった笠は、前半こそボギーが先行したものの、後半に「100点に近いショット」でバーディーを量産。ナイスカムバックで16位に浮上し、賞金ランク日本人最上位の意地を見せた。

 「前半はバーディーを取れなかったけど、その分、明日にでも来るだろうと。そう思って諦めなかったし(現状を)受け入れた。でもまさか5つも取れるなんて」

 3番パー3でグリーンを外し、ボギーを叩いた。その後もチャンスにつけられず、停滞モードだった。だが、慌てず騒がず。泰然自若で構えると、後半の11番、15メートルのバーディーパットが反撃の合図となった。12番パー5は2オンに成功するなど13番まで3連続バーディー。15番パー4はピンまで150ヤードの第2打を「もう少しで入りそうだった」と8Iでピタリとつけ楽々とスコアを伸ばした。

 後半だけで5バーディーを奪い、首位とは6打差。4日に29歳の誕生日を迎えたが、その夜に知人ら9人が集まりサプライズで誕生日パーティーを開いてくれた。「うれしくて泣いちゃった」。感謝の思いは、ぎりぎり逆転圏内に食い込むことで示した。

 賞金ランク上位を占める韓国勢に対抗意識を燃やしてきた笠にとって、今大会ほど燃える大会はない。上位にずらりと名前を連ねるのは韓国勢と米ツアー勢ばかり。ラウンド中にリーダーボードを見ても気になるのはその一点。「(日本勢が)いないなあ、私の名前を載せたいなと思いながら見ていました。でもアン(ソンジュ)ちゃんや(申)ジエは来ているねとキャディーさんと話していました」と表情を険しくした。

 層の厚さを考えれば、首位と6打差はシビアな数字だ。それでも「諦めない。最後まで」と言い切った。休養した先週に賞金ランクは1つ下がって3位。一打が後の運命を分ける可能性は十分、ある。貪欲な29歳は優勝も、賞金女王もネバーギブアップだ。

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