片山、史上6人目通算30勝 AОNの領域!貫録1差逆転V

[ 2016年10月31日 05:30 ]

男子ゴルフツアー マイナビABC選手権最終日 ( 2016年10月30日    兵庫県加東市 ABCゴルフ倶楽部=7217ヤード、パー72 )

通算12アンダーで優勝し、喜びを爆発させる片山
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 片山晋呉(43=イーグルポイントGC)が史上6人目の通算30勝目を挙げた。2打差2位から出て、4バーディー、ノーボギーの68をマークし通算12アンダーで逆転。夏場の不調を乗り越え、4度目の大会制覇を果たした。単独首位から出た小林伸太郎(30=焼鳥まさや)は71で通算11アンダー、自己最高の2位に入った。

 少し迷っていた勝利の女神を最後に振り向かせた。片山が2打リードして迎えた最終18番パー5。小林が2オンに成功した直後、迷わず刻みピンまで97ヤードの第3打。小林より遠い位置に着弾したボールはスルスルと下り、ボール1個分、ライバルより内側で止まった。

 「最後のふた転がりで彼より内側につけたね。あれが外側なら彼が入れて(イーグルで)プレーオフになると思う。あれが勝負のあやだった」

 貫禄の一打で相手にラインを見せることを回避。結果、先に打った小林は下りの5メートルをねじ込めず、史上6人目の通算30勝を手に入れた。

 「一打でも少ない者が勝つだけ。ゲーム展開としては静かに見せつけながらできたと思います」

 最終組で一緒に回った小林、香妻の2人はそろって未勝利。片山は2打差から出たが、2番で20ヤードのチップインバーディーを奪う一方、ボギーはなし。じわじわと追い詰め、隙を見せない。かなう相手などいなかった。

 リオデジャネイロ五輪に出場した今季は、五輪を挟み、出場3戦連続で予選落ち。夏場に不振にあえぎながらもトレーニングに励み、練習も一番遅くまで打ち込んだ。「いろんな人に意見を聞いた。アマチュアのおじさんにもね」。好奇心の塊はあらゆる人、物に救いを求めた。

 40歳から毎年1勝を挙げ、43歳で節目に到達した。「(主催の)マイナビの住所が1丁目1の1だから、僕も1位にこだわり、1打差で勝った」とリップサービスもすれば、「周りの選手が暗いから」とあえてオーバーアクションで盛り上げた。ゴルフと同じで、キャラクターも進化。「50歳で勝った中嶋(常幸)さんが“相当いいよ”と言っていたから…」。シンゴ進化論には続きがある。

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2016年10月31日のニュース