長沼ボート場、間に合わない可能性 都部局が検証、海の森は赤字

[ 2016年10月28日 21:08 ]

 2020年東京五輪・パラリンピックのボート、カヌー・スプリント会場を宮城県登米市の長沼ボート場に変更した場合、大会までに整備が間に合わない可能性があるとする検証結果を東京都の担当部局がまとめたことが28日、関係者への取材で分かった。

 外部から招聘した都の五輪調査チームが検討している競技会場の見直し案を検証した。小池百合子知事は、これらの結果も踏まえ、都としての方針を示す考え。

 関係者によると、検証では、都内臨海部の「海の森水上競技場」に関し、恒久施設として整備すれば、大会後の運営収支が年間約2億円の赤字になると指摘。仮設として整備する案は、コース内の水位を一定に保つために海を締め切る堤防の建設が技術的に困難とした。

 また長沼ボート場は設計や工事を急いで実施しても、完成するのは大会後になる見通し。土地の買収や環境影響評価(アセスメント)に時間がかかるといった課題があるとした。

 調査チームは、海の森水上競技場を現行計画よりコスト削減した上で恒久施設とするか、仮設施設とするか、長沼ボート場に変更して整備するかの3案に絞り込んでいる。

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2016年10月28日のニュース