全美貞 逆転V!大先輩・具玉姫超え 日本ツアー単独最多24勝

[ 2016年10月24日 05:30 ]

女子ゴルフツアーNOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日 ( 2016年10月23日    兵庫県三木市 マスターズGC=6523ヤード、パー72 )

<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日>笑顔で優勝カップを手にする全美貞
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 4打差4位から出た全美貞(ジョンミジョン、33=韓国)が65をマーク。通算17アンダーで逆転優勝した。ボギーなしで7バーディーを量産し、7月のサマンサタバサ・レディース以来となる今季2勝目を挙げた。通算24勝は母国の大先輩、故・具玉姫(クオッキ)さんを抜き、韓国人選手の日本ツアー単独最多勝利数となった。

 沈んでいた気持ちが一気に晴れた。パッティング練習場でプレーオフに備えていた全美貞の元に届いた吉報。ヒロインは喜ぶより先に胸をなで下ろした。

 「プレーオフだけはやりたくなかった。私は2位でいいから、(優勝を争っていた選手が)連続バーディーを取って優勝してほしいと思っていたぐらいですから」

 昨年から今年にかけてプレーオフは3連敗中。しびれる戦いをするぐらいなら、惜敗でも…の気持ちは本音だった。

 ホールアウト後に弱気な姿を見せたが、4打差4位から出たラウンドは強気だった。2番で1・5メートル、6番で2メートルを入れ、着々とバーディーを量産。13番で1メートルにピタリとつけ首位に並ぶと、勝負を決めたのは17番パー3だ。上って下る9メートルのバーディーパットは、練習ラウンドの時にチェック済み。しっかりとねじ込み抜け出した。

 どん底からはい上がった。スイングは変わっていないはずが、結果が伴わず今季序盤戦では自信を喪失。「本気でゴルフをやめたいと思った」。韓国で著名な精神科の医師に相談し、ゴルフ以外の楽しみを見つけるよう助言された。日本語の漢字を勉強し始めたのはその頃だ。気持ちが上向くと自然に結果が出た。7月に今季初勝利を挙げ「家族が私以上に喜んでくれた。優勝より私が楽しくゴルフをすることがうれしかったみたい」と充実感に浸った。

 年間複数勝利は賞金女王になった12年以来4年ぶり。日本ツアー勝利数は故・具玉姫さんを抜き、韓国人単独最多の24勝になった。「私の記録はまた誰かが抜くだろうけれど、良い選手だったと言われるよう恥ずかしくない選手になりたい」。トンネルを抜けた先は、明るかった。

 ▽全美貞のプレーオフ 通算2勝5敗。13年ヨコハマタイヤPRGRレディースで勝って以来、15年Tポイントレディース、16年CATレディース、マンシングウェアレディースと現在3連敗中。

 ▼全美貞の直近の成績 日本女子プロ選手権は6位、マンシングウェア・レディース東海クラシックは2位。ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは61位。日本女子オープンは43位だった

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