笠 1打差2位でフィニッシュも…賞金女王ランク2位浮上

[ 2016年10月24日 05:30 ]

女子ゴルフツアーNOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日 ( 2016年10月23日    兵庫県三木市 マスターズGC=6523ヤード、パー72 )

<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日>あと一歩及ばず2位タイに終わった笠りつ子だが、笑顔でアンソンジュ(左)を迎える
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 女子ゴルフツアーNOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日、首位から出て今季3勝目を狙った笠りつ子(28=京セラ)は、3バーディー、1ボギーの70とスコアを伸ばしたものの通算16アンダーの272で1打差の2位に終わった。
 それでも、賞金ランクは2位に浮上。逆転での賞金女王戴冠に望みをつないだ。2位に入った鈴木愛(22=セールスフォース)は賞金ランク4位をキープ。同ランク首位でホステスプロのイ・ボミ(28=延田グループ)は、追い上げ及ばず5打差の4位に終わった。4位から出た全美貞(ジョン・ミ・ジョン、33=韓国)が逆転優勝を果たした。

 最終18番。7メートルのバーディーパットがカップの右を通過した。苦笑いを浮かべる笠。7アンダーで回った全美貞に1打届かず2位に終わり、「最後はバーディーを狙ったんですけどね…」と力なく話した。第2打はピンまで160ヤード。「実際の距離よりも見た目の距離が短く見えてしまった」と7Iでつっこみきれなかったことを悔やんだ。

 同組の鈴木と首位に並んでスタートし、5番で2メートルのバーディーパットを決めるなど一時は2位に2打差をつけた。だが、9番でグリーン左からのアプローチを寄せきれずボギーを叩くと、後半は伸び悩んだ。コース内にあるスコアボードをチェックし、「(全美貞が)首位に並んでいることは分かっていた」という。勝負どころの15番パー5は平均ストローク4・6275。この日2番目にやさしいチャンスホールだったが、グリーン右からの第3打が4メートルもショート。バーディーを奪えなかったことが最後に響いた。

 だが、優勝は逃したものの、2位の賞金1120万円を加算し、通算1億2194万8666円として賞金ランク2位に浮上した。毎週のように優勝争いに加わり、「トップで争って良い経験ができているけど、コースを出るとドッと疲れる」と疲労感がにじむが、笠を突き動かす原動力は大好きな地元・熊本だ。

 今年4月に熊本県を最大震度7の地震が襲い、菊陽町にある実家のゴルフ練習場も被災。壁が剥がれるなど大きな被害を受けた。だが、笠は震災翌週のフジサンケイ・レディースから今大会まで24試合に出場し、優勝2度を含むトップ10入りが18度。「ゴルフができる喜び、感謝の気持ちが大きくなり、全てを楽に考えられるようになった」という。

 賞金ランク首位のイ・ボミとの差は2842万9665円に縮まり、女王の背中が見えてきた。「2位だとまた勝ちたい気持ちが芽生える」。今週は震災後初めて熊本に戻る。故郷で心身ともにリフレッシュし、11月4日開幕のTOTOジャパンクラシック(スポニチ主催)から逆転女王への道を歩み始める。

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