【岡崎真の目】浅田真央 加点項目増え、前戦よりも質は向上

[ 2016年10月23日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第1戦 スケートアメリカ第1日 ( 2016年10月21日    米イリノイ州シカゴ )

 5位という順位だけを考えると出遅れに見えるが、2位までの点差はわずか1.28点。浅田の演技は今季初戦だったフィンランディア杯より確実に底上げされた印象だ。

 連続ジャンプの最初の3回転フリップが回転不足判定を受けたことが直接的なマイナス要素になったが、これはボーダーラインぎりぎりのところだった。その他ほとんどの要素は前回より多くのGOE(出来栄え評価)による加点を得ており、5項目の演技点も伸びた。レベルを取りこぼした連続ステップも、前回指摘したターンの甘さはかなり解消されていた。同様に、回転不足気味だったスピンは、今回は完璧に近かった。

 膝の痛みでジャンプの難度を上げるのが難しい現状では、今できる内容を磨いていくしかない。そして、その方向へ着実に進んでいることは確認できた。あとはいつコンディションが整うか、が焦点となるだろう。

 一方、GP初出場の三原が2位発進と健闘した。非常にクレバーで、課題は着実に克服していくタイプの選手。経験を積むことによって、より輝きを増していけば楽しみな存在となる。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2016年10月23日のニュース