春日山親方、辞任勧告受諾で…移籍拒否の力士12人が引退

[ 2016年10月20日 05:30 ]

日本相撲協会からの師匠辞任勧告を受諾し、取材に応じた春日山親方
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 日本相撲協会から師匠として不適格と判断された春日山親方(元幕内・浜錦)は19日、師匠辞任勧告を受諾した。本人や力士らは同日付で同じ伊勢ケ浜一門の追手風部屋へ移籍となったが、在籍する力士23人のうち12人の引退届が協会に受理された。埼玉県草加市にある追手風部屋は受け入れスペースの問題などで、春日山部屋勢は川崎市内に残る先代親方(元幕内・春日富士)時代に使用していた建物に移るという異例の措置となった。

 師匠辞任勧告に対する回答期限だったこの日、春日山親方は東京都墨田区の日本相撲協会を訪れ、受諾する旨を伝えた。これに伴い、春日山部屋の一時消滅が正式決定。同親方と力士らは追手風部屋に移籍することになった。春日山親方は協会幹部との話し合いを終えた後に「23人の弟子に申し訳ないことをした。今後は考えを改めて進んでいきたい」とうなだれた。その後、部屋に戻って力士らと顔を合わせたが、ここから事態は大きく動いた。

 部屋に所属する幕下以下の力士23人のうち幕下・水口、萬華城ら11人は、17日に辞任勧告撤回を求める嘆願書を後援会関係者らとともに協会に提出していた。だが、それを上回る12人が急きょ、引退届を提出。一度に部屋の半分以上が土俵から去るのは前代未聞で、後味の悪い結末となった。

 春日山部屋勢の受け入れ先となる追手風親方(元幕内・大翔山)は川崎市内で力士8人らと面談し、追手風部屋付きの中川親方(元幕内・旭里)が師匠代行で主に指導することを伝えた。新たな稽古場となるのは埼玉県草加市の追手風部屋ではなく川崎市内の別の場所にある先代親方が使用していた部屋。追手風親方は「合併でなく、春日山部屋が再興するまでの措置」と説明したが、追手風部屋のスペースの都合とはいえ、一つの部屋が別々の場所で活動するというのは異例の事態だ。

 なんの罪もない力士まで巻き添えになった師匠の辞任問題。部屋に住み込んで指導に当たることになる中川親方は「まずは力士の心のケアをしたい」と話した。相撲人気が続いている協会だが、今回は土俵外で大きなイメージダウンを負った。

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2016年10月20日のニュース