Bリーグ 新たなファン獲得に手応え さらに熱い雰囲気づくりを

[ 2016年10月16日 11:35 ]

<B・リーグ開幕戦 アルバルク東京・琉球ゴールデンキングス>第4Q、東京の菊地(右)は琉球のラモント・ハミルトンと競り合いながらシュートを放つ

 今秋スタートしたプロバスケットボールのBリーグは今週末に第4節が行われている。9月22、23日に国立代々木競技場で、記念すべき新リーグ開幕カード(リーグ主管)を戦ったアルバルク東京は代々木第2体育館でホーム開幕戦を開催。仙台との2連戦初戦の14日は95―69で快勝した。

 この試合には会場がほぼ満員となる2705人のファンが集まった。先着2000人に協賛社の日野自動車のロゴが入ったチームカラーの赤いTシャツが配られ、会場は赤一色。トヨタ自動車の企業チームだった昨季までにはないホーム会場の一体感が生まれた。16得点でチームの勝利に貢献したシューターの松井啓十郎は試合後「真っ赤なTシャツを着たファンの方々にエネルギーをもらいました」と言った。ホームの暖かい雰囲気がアルバルク東京の選手たちの力になったのは間違いない。

 これまで企業チームは社員にチケットを配布して動員をかけることがあったが、このアルバルク東京の試合に集まったファンは純粋にチケットを購入した方ばかり。ほぼ満員となった集客について、クラブの広報担当者は「上出来だと思います。開幕戦がテレビ中継されたことも大きかった」と評価した。

 約1万人の観衆を集めて盛り上がった9月のリーグ開幕戦はフジテレビの地上波で生中継された。試合の様子は各局のニュースや翌日の新聞でも大きく取り上げられた。そんなメディア露出の多さも手伝って、この日の入場券はリーグ開幕戦翌日の24日の発売開始から3日間で指定席が完売した。クラブのツイッターのフォロワー数はリーグ開幕戦前の約9000人から現在は約1万3300人。フェイスブックのフォロワーも開幕前の6300人から約2000人増。ファンは確実に増えている。

 この日の会場では一つ気になったことがあった。それはファンの応援のおとなしさだ。好プレーに対して多少沸く場面はあったが、もっと騒いでいい。大事な守備場面では「ディフェンス」コールもほしい。相手チームに対するブーイングだってあっていい。観客がバスケット観戦に慣れていない印象だった。ただそれは従来のバスケットファンだけでなく、新たなファン開拓に成功している証でもあると思う。

 一度会場に足を運んでくれた観客にリピーターとなってもらうために、クラブは今後もおもしろいゲーム、充実したファンサービスを提供し続けなければいけない。ファンが定着すれば、有志による私設のサポーター組織も誕生し、会場はもっと熱い雰囲気になるだろう。チームは現在6勝1敗と好調だ。今のところいい流れに乗っている。企業チームからプロチームに生まれ変わったばかりのアルバルク東京。プロクラブとしての今後の成長が楽しみだ。(柳田 博)

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2016年10月16日のニュース