真央 課題見えた2位「余裕ない感じ。ぽろぽろミスがあった」

[ 2016年10月9日 05:30 ]

フィンランディア杯第2日 ( 2016年10月7日    フィンランド・エスポー )

フィンランディア杯でフリーの演技を披露する浅田真央(AP)
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 女子でショートプログラム(SP)2位の浅田真央(26=中京大)はフリーも2位の121・29点で、合計186・16点の2位だった。初披露のフリーだったが、演技後半の3回転フリップが2回転になるなど、ジャンプにミスが出て得点を伸ばせず。フリー1位のケイトリン・オズモンド(20=カナダ)が合計187・27点とし、SP3位から逆転で優勝した。

 演技後のしぐさに、浅田の感情が表れていた。両腕をクロスさせ天を見上げてフィニッシュすると、悔しそうに首をひねった。「好きなプログラム。気持ち良く滑りたい」と意気込んでいた初披露のフリーで得点を伸ばせず。「初めて滑ったせいか、余裕がない感じがあった。ぽろぽろミスがあった。課題はたくさんあると感じた」と現状を素直に受け止めた。

 新境地を開くプログラムだ。SP、フリーともに使用するのは「リチュアルダンス」。SPは黒の衣装でピアノの旋律に乗り、「黒い鳥、ミステリアスな魔術師」を表現した。フリーは同曲のオーケストラバージョン。「同じ曲だけど、まったく違う感じ」。赤い衣装に身を包んで「情熱的に踊る女性」を演じた。終盤のスピンやステップで加点を引き出したが、調整途上のジャンプでミスが出た。

 トリプルアクセルはSPに続いて回避した。3回転ルッツは踏み切り違反で減点され、3回転フリップは2回転に。「試合感覚が薄れている中で本番の緊張感もあり、うまくコントロールできていない部分もあった」。休養から復帰した昨季よりも仕上がりは遅れ、体調にも不安を抱える。佐藤信夫コーチは、「本当はもっと負荷をかけていかないといけないが、まだそれができる段階ではない」と明かした。

 次の舞台はGPシリーズ。カナダで振付師のローリー・ニコル氏とともにプログラムに修正を加え、初戦のスケートアメリカ(21日開幕、シカゴ)に向かう。トリプルアクセルは「早く挑戦できたらいい」と話す通り、プログラムに入れるかどうかは今後の調整次第。「まだまだ滑り込みが必要。練習を積んで追い込んでいけば、いろんな感覚は自然に出てくるもの。失敗は次に生かしたい」。理想の演技へ、浅田が着実に前進する。

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2016年10月9日のニュース