錦織「最悪」途中棄権 絶好調から急変、突然の痛みに「悔しい」

[ 2016年10月6日 05:30 ]

テニス 楽天ジャパンオープン第3日 ( 2016年10月5日    有明テニスの森公園 )

<楽天OP 男子シングルス2回戦 錦織・ソウザ>第1セット、痛みに耐えながら治療をうける錦織
Photo By スポニチ

 テニスの楽天ジャパンオープン第3日、世界ランキング5位で第1シードの錦織圭(26=日清食品)はシングルス2回戦で世界34位のジョアン・ソウザ(27=ポルトガル)と対戦したが、第1セットの第3ゲーム途中で臀部(でんぶ)を負傷し、ゲームカウント4―3の第8ゲーム途中で棄権した。まだ出場が確定していない11月のATPツアー・ファイナル(英国)など重要な大会が続く終盤戦へ向けて大きな不安を残すことになった。

 錦織は試合後の会見でも「まだ信じられない」とぼうぜんとしていた。今大会前は約2週間試合がなく、休養とトレーニングに時間を割くことができていた。この日の2回戦は得意のバックハンドがさえ、相手をもてあそぶようなラリーでゲームをコントロールする余裕ぶりで3ゲームを連取した。2年ぶりの優勝へ向けて、順調そのものだった。

 だが、状況は急変した。第3ゲームの途中で臀部に痛みが走ったという。3―0としたところで、メディカルタイムアウトを要求。トレーナーの治療を受けてコートに戻り、第4ゲームこそ奪ったものの「痛みが引かなかった」。プレーの精度が急激に落ちて3ゲーム連続で失った。第8ゲームの途中でプレー続行を諦め、自ら棄権を申し出た。

 「出だしであれだけいいことも少ないし、準備万端だったので、悔しいです」。今大会は既に最終日まで前売り券が完売し、この日も平日の夕方にもかかわらず満員となるなど錦織に対する期待も大きかっただけに「大事なジャパン・オープンでリタイアは最悪の結果。申し訳ない気持ちがある」と唇をかんだ。

 6月には左脇腹を痛めて、ウィンブルドンも4回戦で途中棄権したが、その負傷箇所とは違う。「ケツが痛くなったのは初めて。徐々にきた痛みじゃないので、それだけが心配です」。これまで数多くのケガを経験してきたが、新たな負傷を抱えて不安の種が増えた。次週はグランドスラムに次いで格の高い「マスターズ1000」の上海マスターズ。「どうしても出たい気持ちはある。でも数日の回復を見ないとどうなるか想像がつかない」。日本人96年ぶりの五輪銅メダルを獲得するなど華々しい活躍もあった錦織の2016年は苦しい終盤戦になりそうだ。

 ▽錦織の負傷 今までで最も大きな負傷は09年の右肘疲労骨折。手術をしてから復帰するまで約1年のブランクをつくった。過去4大大会の棄権も多く、グランドスラムデビューとなった08年ウィンブルドン1回戦では腹筋を痛めて棄権。10年全米オープン3回戦では左太腿を痛めて途中棄権。11年全米オープン1回戦は腰痛で途中棄権。15年ウィンブルドンは前哨戦ゲリー・ウェバー・オープンで痛めた左ふくらはぎが完治せず2回戦直前に棄権した。

続きを表示

この記事のフォト

2016年10月6日のニュース