今季V発進も息切れ…「次はノーミス。そうじゃなきゃ羽生結弦じゃない」

[ 2016年10月3日 05:30 ]

フィギュアスケートオータム・クラシック ( 2016年10月1日    カナダ・モントリオール )

フリーでも4回転ループを成功させ、今季初戦を制した羽生結弦

 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(ゆづる、21=ANA)が1位の172・27点をマークし、合計260・57点で今季初戦を制した。前日のSPで史上初めて決めた4回転ループを再び成功させるなど2つの4回転ジャンプを決めたが、後半は転倒するなど課題も残した。今後のGPシリーズにはスケートカナダ(10月28~30日・ミシサガ)とNHK杯(11月25~27日、札幌)に出場する。

 五輪王者はヘロヘロだった。最後は息を切らし、思うように動かなくなった体にむち打って演じた。無理もない。今季のフリーは4回転ジャンプを3種類4度跳ぶ、かつてない“超高難度”の構成だ。転倒やミスも出た羽生は大粒の汗を滴らせながら「見ての通り、ばてていた感じはあった。しんどいけど楽しいし、燃える」と言って目を輝かせた。負けず嫌いの王者のハートに火をつけた初演技だった。

 久石譲さんのピアノ曲「ホープ&レガシー」の優しいメロディーに乗り、冒頭では前日のSPで史上初めて成功した4回転ループを再び決めた。続く4回転サルコーもきれいに跳んだ。ステップやスピンも切れがあった。だが、ジャンプの基礎点が1・1倍になる後半、ジャンプの軸がぶれた。4回転を予定していた連続ジャンプの最初のサルコーが3回転になった。続くトーループでは転倒した。最後の3回転ルッツでも両手をついた。

 ただ、課題はスタミナではないという。「体力が問題ではない。力の使い方やスピードの出し方で効率よくできれば、ミスはしないと思う」。左足甲のじん帯損傷で氷上での練習ができない時期もあっただけに、今後滑り込んでいく必要がある。次戦はいよいよグランプリシリーズの自身初戦、28日開幕のスケートカナダ。「次の試合ではノーミスでやります。絶対に。そうじゃなきゃ羽生結弦じゃない」と言い切った。

 4回転ループの2日連続成功は大きな自信になった。あとはどうペース配分して、超高難度の構成となったフリーの4分半を演じきるか。収穫と課題の両方を手にしたシーズン初戦だった。

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