御嶽海、長野県出身84年ぶり新三役当確 亡き恩師に届けた

[ 2016年9月26日 05:30 ]

堂々の三役昇進だ!!宝富士を寄り切り10勝目を挙げた御嶽海(右)

大相撲秋場所千秋楽

(9月25日 両国国技館)
 西前頭5枚目で2桁勝利を挙げた御嶽海が、九州場所の新小結昇進を確実にした。新関脇・宝富士が相手でも臆することはない。しっかり頭から当たり、右のハズ押しで上体を起こした。左も差して前に出て、実力者に何もさせずに寄り切った。「(2桁勝利は)目標にしていたので、達成できてよかった。思った通りに取れた」。充実の15日間を終え、会心の笑みを浮かべた。

 今場所の番付発表前日の8月28日、御嶽海の母校・東洋大の常務理事で相撲部元総監督だった田淵順一さんが75歳で亡くなった。在学中は技術的な指導はほとんど受けていないが「“人のつながりは大事にしろ”とよく言われていた」という。その言葉は今でも心に響いている。自己最高位の東前頭筆頭だった名古屋場所は上位の壁に屈して5勝10敗。「田淵さんに三役に上がったという報告をしたかった」という願いはかなえられず、恩師は天国に旅立った。それだけに今場所は結果を出したかった。この日は「新三役を意識していた。ちょっと硬くなった」というが、しっかり10勝目をつかみ取った。場所を終えたことで、ようやく亡き恩師の元に報告に出向く。

 長野県出身では高登以来、84年ぶりの新三役昇進となる。「先場所があったから今場所いい成績を残せた」。照ノ富士、高安を破るなど幕内6場所目で着実に伸びてきている。一年納めの九州場所でも、上位陣を脅かす。

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2016年9月26日のニュース