山下 初V射程3差3位浮上 メンタル本読み一転好調

[ 2016年9月25日 05:30 ]

<ダイヤモンドカップ・第3日>17番でティーショットを放つ山下和宏

アジア・パシフィックオープン・ダイヤモンド・カップ第3日

(9月24日 大阪府茨木市 茨木カンツリー倶楽部西コース=7320ヤード、パー70)
 プロ19年目の山下和宏(42=ザ・サイプレスGC)が5バーディー、4ボギーの69をマーク。通算5アンダーの3位に浮上した。直近2試合連続の予選落ちなど賞金ランク68位と不振も今大会直前に約2000円のメンタルトレーニング関連の本を購入。立て直した精神面で3打差逆転の初優勝を狙う。パチャラ・コンワットマイ(17=タイ)が69で回り、通算8アンダーの単独首位をキープした。

 2カ月ぶりの決勝ラウンドで山下がうっぷんを晴らした。ティーショットはやや不安定も、4番で「寄ればいい」と思って打ったアプローチが30ヤード先のカップに直接入りバーディー。15番は5メートルのバーディーパットを沈めるなど小技を駆使して69をマーク。今季初の3日連続の60台で首位と3打差の3位に浮上した。

 「初日、2日目の方が緊張してました。ここまで来られて上々です」

 7月下旬のダンロップ・スリクソン福島オープン以来の3日目に、42歳の言葉が弾んだ。ツアー優勝こそないものの、現在8年連続賞金シードを継続中の中堅の実力派が直近2試合で予選落ちするなど賞金ランクは68位。しかも、前戦のANAオープンでは初日68を出しながら2日目に82の大叩きをして姿を消した。

 「練習ではいいのに本番ではできない。こんなに練習しているのに…と自分の気持ちが折れちゃいました。嫁にも“覚悟しとけよ”と言いました」

 だが、それで終わりにしなかった。自宅に帰ってからアマゾンのネットショップでメンタルトレーニングの本を約2000円で購入。「体は悪くない。やっぱりセルフコントロールができていない。メンタルの問題」と今大会開幕3日前に届くと読みあさったという。

 開催コースも追い風だ。豊中市の自宅からも車で15分と近い茨木CCは超名門コース。プロでもなかなか回る機会はないが、関係者からも好かれる誠実な人柄の山下は今年だけで、5回も回っている。「自宅通勤でリラックスできているし、レストランの方も知っている。凄い地元っていう感じがする」。家族が観戦予定の最終日。3打差を逆転すれば、2000円が1万5000倍の3000万円に化ける。

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2016年9月25日のニュース