17歳・中島啓智「幸せ」200個メで東京につながる銅!

[ 2016年9月19日 05:30 ]

男子200メートル個人メドレー(知的障害)決勝 銅メダルを獲得した中島啓智の平泳ぎ

リオデジャネイロ・パラリンピック第11日

(9月17日)
 競泳男子200メートル個人メドレー(知的障がい)で、初出場の中島啓智(17=千葉・中山学園高)が2分15秒46で銅メダルに輝いた。

 伸び盛りの17歳が一気に表彰台まで駆け上がった。本人も「予想外でうれしい」と驚く伏兵の銅メダル獲得。表彰式でメダルを首にかけられた中島は「凄く重い。努力したかいがありました。幸せでいっぱいです」と恥ずかしそうにほほ笑んだ。

 予選で自己ベストを2秒以上更新する2分16秒00で2位通過すると、決勝でも自信たっぷりに泳いだ。スタートから上位陣に食らいついて、4番手で折り返し。3つ目の平泳ぎは苦手な泳法だったが「短所を長所にしようと練習してきた」と強化してきた成果を発揮。順位を落とすことなく、得意の自由形につないだ。ラスト50メートルでは隣のレーンの韓国選手を抜き去り、決勝でもきっちり自己ベストを更新して3位に食い込んだ。

 幼い頃は高熱が出やすく病弱で、体を鍛えるために3歳で始めた水泳。「自分では覚えていないけれど、溺れることもあったと母親からは聞いた」と今では笑って話す。小学生の頃は速い選手ではなかったが、コツコツとスイミングスクールに通い続けた。今年に入って急激に記録が伸び、パラリンピック出場を意識した。出場が決まると「世界中が見ている。恥ずかしい泳ぎはできない」と練習への意識も変わった。1日2回練習で、多いときで1日約9000メートルを泳ぎ込んでスタミナを強化した。国際大会の経験は少なく、今大会最初の200メートル自由形予選後は「外国の選手は背が高く、がっしりしていて、凄くびびった」と招集所での不安な気持ちを話していたが、結果を出す中でたくましさも増していった。

 「僕は17歳で、まだまだこれから。東京では金メダルを目標に頑張りたい」。26歳の木村敬一、25歳の山田拓朗らベテラン、中堅勢の活躍が続いたパラ競泳界に待望の新星が誕生した。

 ◆中島 啓智(なかじま・けいち)1998年(平10)11月16日、千葉県習志野市生まれの17歳。花見川スイミングクラブ所属。中山学園高3年。得意は自由形。1メートル75、69キロ。

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