白鵬 傷だらけ…秋場所全休発表 稀勢に綱獲りエール

[ 2016年9月9日 05:30 ]

秋場所の全休場を発表し悔しそうな表情を見せる白鵬

大相撲秋場所

(11日初日、両国国技館)
 大相撲の横綱・白鵬(31)が8日、東京都墨田区の宮城野部屋で取材に応じ、38度目の優勝と残り3勝に迫る1000勝が懸かる秋場所(11日初日、両国国技館)を全休することを正式に表明した。右足親指、右足首、左膝の3カ所を負傷しており、精密検査の結果次第では今後入院する可能性も示唆。次なる九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)での復活を誓うとともに、大関・稀勢の里の綱獲りにはエールを送った。

 ただひたすら「何とか期待に応えたいという気持ち」で秋場所の出場を目指して最善を尽くしてきたが、白鵬の体は悲鳴を上げていた。8日までの診断で「左膝タナ障害、右母趾(し)伸筋腱損傷、右足関節炎症で4週間の加療を要する」と下半身に3カ所もの負傷が見つかったことを公表。その上で「何かを犠牲にすることは戦いには必要。それが今回10年ぶりに来たのかな」と大関時の06年九州場所以来となる全休を正式に表明した。

 先場所中に痛めた右足親指に加え、夏巡業(7月31日~8月28日)に「横綱としての責任で」強行参加し続けたため、左膝と右足首にも負傷が連鎖した。専属トレーナーの大庭智成さんは「親指をかばったことで無理が生じ、他の箇所にも負担が掛かった。体は連動していますから」と説明。7日には都内の病院でMRI(磁気共鳴画像装置)などの精密検査も受けた。結果は判明していないが、右足親指の骨に異常が生じている可能性があり、横綱は「悪ければ入院になるかもしれない」と漏らした。

 それでも「(場所後の)秋巡業、九州場所に向けて治療に励んでいきたい。私もどこかに甘さがあった。もう少し厳しくすれば今年最後の場所、来年も頑張れる」と既に気持ちは前向き。残り3勝に迫る通算1000勝については「年1回の九州場所を支えてくださる方々の目の前で見せたいという気持ちが高まっている」と来場所での達成を約束した。

 自身の休場により、稀勢の里の綱獲りにも影響が出ることは必至。「チャンスをものにしてもらいたい。そうなれば4横綱の時代が始まる」とエールを送った。自らがいない間に横綱に上がれ――というメッセージ。その表情は万全な体で戻り、同じ最高位として賜杯争いをする日を待ち望んでいるかのようだった。  

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